芋焼酎,泡盛,ブランデー,およびウイスキーの酢酸エチル抽出後の濃縮液をGPC分画し,得られた画分毎にGC-MS full scan分析と官能試験を行った.その結果,4種類の蒸留酒にはほぼ同じ香気成分が含まれていた.検出した香気成分について香気強度(定量値を溶液閾値で除した値)を求め,香気強度5以上の香気成分で評価したところ,Isoamyl alcoholは芋焼酎,泡盛,ブランデーの香りに,β-Phenethyl alcoholは芋焼酎と泡盛の香りに,Ethyl caprylateは4種全ての蒸留酒の香りに,β-Damascenoneはブランデーの香りに, Vanillinは泡盛,ブランデー,ウイスキーの香りに,Isovaleric acidは,芋焼酎,泡盛,ブランデーの香りに,それぞれ強く寄与していることが示された.さらに,蒸留酒に含まれている6種類の主要香気成分を定量値の濃度で混合することにより,各蒸留酒の香りを再現できることが判明した.