産業保健法学会誌
Online ISSN : 2758-2574
Print ISSN : 2758-2566
招待講演
組織における制度と文化
社会心理学の視点から
村本 由紀子
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 1 巻 1 号 p. 25-29

詳細
抄録

組織が新たなルールや制度を導入したとき、従業員がその新制度に即応し、活用することは必ずしも容易ではない。従業員の心理や行動は、明示的な制度よりも目に見えない職場の文化に規定されがちであり、文化には、環境が変わっても容易には変化しがたいという特質が備わっているためである。特に留意すべきは、旧態依然とした文化が「多元的無知」によって維持されている場合である。本稿では、多元的無知に関する社会心理学の研究例を紹介しながら、組織における制度と文化の関係について考察する。

著者関連情報
© 2022 一般社団法人日本産業保健法学会
前の記事 次の記事
feedback
Top