日本産業看護学会誌
Online ISSN : 2188-6377
研究報告
在留邦人就労者等の健康管理に必要な邦人看護職者の役割と能力に関する基礎的調査
大元 慶子
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2020 年 7 巻 p. 1-8

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抄録

目的:本研究は,在留邦人就労者等の健康管理を担う邦人看護職者に求められる役割と能力の明確化を目的とした基礎調査である.方法:先行研究に尺度開発の予備的調査質問項目を作成し,看護職者27名から無記名自記式調査票を回収した.分析はリッカート尺度に基づき点数化し,各設問における平均値,標準偏差および肯定率を求めた.また,やりがいと困難さの自由記述をカテゴリー化した.結果:在外で働く邦人看護職者は,対象国に応じた適切な対応,判断,調整といったマネジメント能力や現地人との高いコミュニケーション能力が不可欠となることが挙げられた.考察:調査対象者の活動地域は開発途上国が多く,地域特有の困難さが存在するため,役割には現地の生活環境や医療体制を熟知しておく必要性が強調されたと考えられる.結論:在留邦人就労者等の健康管理に必要な邦人看護職者の役割と能力は国際看護の実践に求められる事項と一致していた.

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© 2020 日本産業看護学会
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