主催: 日本学術会議 機械工学委員会・土木工学・建築学委員会 合同IUTAM分科会
共催: 応用物理学会, 化学工学会, 地盤工学会, 土木学会, 日本応用数理学会, 日本風工学会, 日本機械学会, 日本気象学会, 日本計算工学会, 日本建築学会, 日本原子力学会, 日本航空宇宙学会, 日本材料学会, 日本地震工学会, 日本数学会, 日本船舶海洋工学会, 日本伝熱学会, 日本物理学会, 日本流体力学会, 日本レオロジー学会, 農業農村工学会
管の中に閉じ込めたヘリウムに軸方向に強い温度勾配を与えると,気体の粘性および熱伝導性の拡散効果によって気柱が不安定化し自励振動を始める.この振動はタコニス振動と呼ばれ,実験ではよく知られている.しかし,管の中で生じている熱流動場については実験の難しさのため測定結果は殆どなく,また発振のメカニズムも十分理解されているとは言い難い. 著者の一人は,タコニス振動に対して境界層理論を用いたモデリングを行い,境界層の外側である主流部の気体に対する断面平均をした方程式系を導出した.これを用いて,管の一端が開いた場合のタコニス振動のシミュレーションに成功している.しかし,開口部での境界条件を簡単化し管の外部気体の効果を取り入れていない. そこで本報告では,この境界条件を排除すべく,両端が閉じた管でのシミュレーションを行い,開口部の効果やまた両端を閉じた場合の違い等について述べる.