理論応用力学講演会 講演論文集
第59回理論応用力学講演会
セッションID: 2E02
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OS10  塑性力学におけるマルチスケールとマルチフィジックス
粒界から転位を放出する現象の原子シミュレーション (II)
J積分によるPeach-Koheler力の評価
*木下 惠介下川 智嗣喜成 年泰
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抄録

金属材料において,結晶粒径が数百nmまで微細化された超微細粒材は通常の粗大粒材とは異なる力学特性を示すことが報告されている.結晶粒径が小さくなるほど粒界の体積比は急増するので,粒界で生じる現象がそのような特異な力学特性の一つの要因として考えられる.そのため近年,原子モデルを用いて平衡な傾角粒界の転位源能力についての研究が盛んに行われている.しかしながら,実際の結晶粒界には幾何学的に必要でない欠陥も多くふくまれており,強ひずみ加工により作成されて超微細粒材には余分な粒界転位の存在が報告されている.従って,余分な粒界転位が粒界転位源能力に与える影響を検討することは,超微細粒材の特異な力学特性を理解する上で重要であると理解できる.そこで本研究では,傾角粒界に外部から余分な格子転位を導入したのちに除荷することで,非平衡粒界を作成し,その非平衡粒界を含む双結晶モデルを再負荷することで,非平衡粒界から転位が放出させる原子シミュレーションを実施し,放出される粒界転位近傍に対してJ積分を適用することで,粒界から転位が放出するために必要なPeach-Koehler力を評価する.

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© 2010 社団法人日本建築学会
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