主催: 日本学術会議 機械工学委員会・土木工学・建築学委員会 合同IUTAM分科会
共催: 応用物理学会, 化学工学会, 地盤工学会, 土木学会, 日本応用数理学会, 日本風工学会, 日本機械学会, 日本気象学会, 日本計算工学会, 日本建築学会, 日本原子力学会, 日本航空宇宙学会, 日本材料学会, 日本地震工学会, 日本数学会, 日本船舶海洋工学会, 日本伝熱学会, 日本物理学会, 日本流体力学会, 日本レオロジー学会, 農業農村工学会
金属材料において,結晶粒径が数百nmまで微細化された超微細粒材は通常の粗大粒材とは異なる力学特性を示すことが報告されている.結晶粒径が小さくなるほど粒界の体積比は急増するので,粒界で生じる現象がそのような特異な力学特性の一つの要因として考えられる.そのため近年,原子モデルを用いて平衡な傾角粒界の転位源能力についての研究が盛んに行われている.しかしながら,実際の結晶粒界には幾何学的に必要でない欠陥も多くふくまれており,強ひずみ加工により作成されて超微細粒材には余分な粒界転位の存在が報告されている.従って,余分な粒界転位が粒界転位源能力に与える影響を検討することは,超微細粒材の特異な力学特性を理解する上で重要であると理解できる.そこで本研究では,傾角粒界に外部から余分な格子転位を導入したのちに除荷することで,非平衡粒界を作成し,その非平衡粒界を含む双結晶モデルを再負荷することで,非平衡粒界から転位が放出させる原子シミュレーションを実施し,放出される粒界転位近傍に対してJ積分を適用することで,粒界から転位が放出するために必要なPeach-Koehler力を評価する.