理論応用力学講演会 講演論文集
第61回理論応用力学講演会
セッションID: OS14-03
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独立確率変数列の最大値の挙動に関する最近の話題
*西郷 達彦
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抄録

 水位や降水量など偶然に左右される量を扱うとき、その最大値が問題になることが多い。これを数学的に定式化すると、偶然に依存する量は確率変数と考えられるため、確率変数列の最大値の問題となる。確率変数列の最大値の挙動は極値統計と呼ばれる分野で扱われる。TippetとFisherがこの問題を1928年に初めて考え、数学・応用数学の様々な研究者が発展させた。応用に関しては、1958年のGumbelの著書"Statistics of Extremes"によって広く工学への応用の途が広がり、現在は土木・建築・保険分野などで重要な手法となっている。  極値理論は確率変数列の確率変数列の最大値に関する極限定理から作られるが、これは正規分布や安定分布など重要な分布を含む無限分解可能分布の理論が確率変数列の和に関する極限定理(中心極限定理やその拡張)から作られるのと同じ構造を持っている。講演ではこれに関して著者の結果も含め、最近の動向を扱う。

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© 2012 一般社団法人日本機械学会
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