-
金田 義行
セッションID: PL1
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
「京」コンピュータが目指す地震津波減災の未来像 -東日本大震災の教訓を踏まえて-
抄録全体を表示
-
Tezduyar Tayfun E.
セッションID: PL2
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
Fluid-Structure Interaction Modeling of Spacecraft Parachutes
抄録全体を表示
-
山口 彰
セッションID: PL3
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
福島原子力事故に学ぶこと -想像力とシミュレーション-
抄録全体を表示
-
風間 基樹
セッションID: PD1
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
東日本大震災の教訓と力学が果たすべき役割について
抄録全体を表示
-
岸本 喜久雄
セッションID: PD2
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
東日本大震災の教訓と力学が果たすべき役割について
抄録全体を表示
-
越塚 誠一
セッションID: PD3
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
東日本大震災の教訓と力学が果たすべき役割について
抄録全体を表示
-
高田 毅士
セッションID: PD4
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
東日本大震災の教訓と力学が果たすべき役割について
抄録全体を表示
-
中島 憲宏
セッションID: PD5
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
東日本大震災の教訓と力学が果たすべき役割について
抄録全体を表示
-
松尾 亜紀子
セッションID: PD6
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
東日本大震災の教訓と力学が果たすべき役割について
抄録全体を表示
-
吉田 郁政
セッションID: PD7
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
東日本大震災の教訓と力学が果たすべき役割について
抄録全体を表示
-
荒井 規允, 畝山 多加志
セッションID: OS01-01
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
テレケリックポリマーとは,親水性高分子の両末端を疎水化した会合性のポリマーである.テレケリックポリマーは水溶液中において,特異なネットワーク構造(loop, bridging chain, dangling chain)を形成し,顕著な粘弾性を示す.その性質から我々の身の回りでは,増粘剤として塗装や化粧品等に用いられており,工業的に大きな需要がある.しかし詳細な研究は未だ十分に進んでおらず,例えば末端の1個の分子が異なるだけで,物性や機能が大きく異なるが,それと分子レベルでの構造の関係は明らかになっていない.またテレケリックポリマー溶液にせん断を与え粘度を測定した場合,せん断の速さによって粘度が増加するshear thickeningという非線形な現象が観察される.これを説明するために,これまで様々な理論が提案されたが,現在主流のモデルはどれも理論的・実験的に十分な裏付けがあるわけではなく,その分子論的な由来は不明である.本研究の目的は,散逸粒子動力学シミュレーションを用い,テレケリックポリマーの特異な性質と分子レベルの構造の関係を明らかにすることである.
抄録全体を表示
-
古賀 俊行, 美谷 周二朗, 酒井 啓司
セッションID: OS01-02
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
ピストン油と呼ばれるある種の液体を水表面に滴下すると、単分子膜として広がる部分と油滴として凝集し水面に浮かぶ部分とが同時に観察される。この状態では膜を形成する分子と油滴を形成する分子は表面分子拡散の時定数程度で移動し平衡状態となっている。この単分子膜部分を、液体表面波の観察手法であるリプロン光散乱法により観察することで、単分子膜部分の粘弾性の周波数依存性を調べることが出来る。高周波数領域では単分子膜と油滴との分子移動が凍結され単分子膜のみの粘弾性が観察されるが、低周波数領域では膜から油滴への分子移動が可能となり、弾性膜としての振る舞いが無くなり表面弾性がゼロになることが予想される。この粘弾性緩和現象を、今回はミリスチン酸エチルを用いて観察した。得られた緩和周波数から、ピストンオイルの表面拡散の時定数を知ることが出来る。
抄録全体を表示
-
平野 太一, 酒井 啓司
セッションID: OS01-03
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
我々が開発したEMS(Electro-Magnetically Spinning)法は、電磁的に遠隔作用するトルクを用いて溶液中の金属球を回転させ、周囲の媒質の粘弾性挙動を調べる手法である。本研究では、電磁石駆動タイプのEMSが持つ高時間分解駆動という特徴をいかし、複雑流体におけるステップトルク応答観察を行っている。その典型的な例として、ひもミセル溶液について観察を行った結果、トルク印加直後に球の回転速度が急上昇した後、その回転が抑制され、さらには反転するという非定常挙動が見られた。また、トルク印加を停止した直後には、球の回転が急反転する様子も観測された。これらの挙動を、適当なバネーダッシュポットモデルを用いて解析した結果を示し、本手法の有用性について議論を行いたい。
抄録全体を表示
-
高橋 勉, 藤井 修治, 千葉 祥悟, 伊藤 雅利, 長谷川 聡
セッションID: OS01-04
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
ひも状ミセルを形成するCTAB/NaSal水溶液はステップせん断流動場の流動開始直後にShear-Hardeningが誘起され,粘度が定常流動時の数倍から100倍にまで増加する.本研究ではShear-Hardeningに関して所定のせん断速度に到達するまでの流動の履歴の影響を検討する.まず,静止状態から所定のせん断速度に達するまでせん断速度を時間に対して比例する流れ場,加速せん断流動を適用し,せん断速度の履歴がShear-Hardeningの発生に及ぼす影響を調べた.せん断速度の増加率が低い場合,高せん断速度に達してもShear-Hardeningが観察されず,逆に増加率がある程度以上高いとステップせん断流動と同様にせん断応力とひずみの関係がせん断速度に依存しない弾性的な挙動となる.また,定常せん断流動状態から所定のせん断速度にステップ的に増加させたときのせん断応力の過渡的応答を観察した.せん断速度増加前の流動状態,特にSISの形成状態がせん断速度増加後のShear-Hardening挙動に影響を及ぼすことを明らかにした.
抄録全体を表示
-
スパン方向の縮小比の影響
内山 広成, 鳴海 敬倫, 長谷川 富市, 牛田 晃臣
セッションID: OS01-05
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
本研究では二次元または三次元的な急縮小部を有する非対称のマイクロスロットチャネルにおける,希薄高分子水溶液の流動特性を解明することを目的とする.マイクロチャネル流入時の圧力損失を測定し,その圧力損失に対する急縮小部形状の影響を検討した.高分子溶液としてpolyethylene oxide (PEO)水溶液を用い,水の実験結果と比較した.その結果,PEO水溶液はレイノルズ数の増加にともない2段階の圧力上昇が見られた.一段目の圧力上昇は渦の発生によるものと考えられ,流れの2次元性,3次元性によらず等しいレイノルズ数で発生した.しかし,2段目の圧力上昇は2次元性が高くなるほど低いレイノルズ数で発生することがわかった.また,流れの可視化により,流れ場の変化と圧力損失の変化をより詳細に検討した.
抄録全体を表示
-
牛田 晃臣, 長谷川 富市, 内山 広成, 鳴海 敬倫
セッションID: OS01-06
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
複雑流体の流動特性やレオロジー特性は,数多くの研究者によって明らかにされてきた.しかしながら,その多くが,ポアズイユ流れに代表されるせん断流動を対象としており伸張流動を対象とした研究報告は少ない.本研究では,伸張流動の1つであるスリット流れを用いて,複雑流体として水と種々の界面活性剤水溶液のジェット推力と圧力損失を測定することでスリット流れにおける種々の液体の流動特性を明らかにした.その結果,界面活性剤水溶液の極性に関して異なる流動特性となった.また,この違いは電気二重層と液体の間の電気的効果によって生じたと考察し,レオロジー特性として弾性応力を算定した.算出した弾性応力は,スリット通過時の平均流速で整理することができ,傾きが約2となることを示した.
抄録全体を表示
-
米川 伊織, 大和 伸好, 秋元 琢磨, 泰岡 顕治, 増渕 雄一
セッションID: OS01-07
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
高分子の成形加工にとって,高分子溶融系の物性を理解することは非常に重要である.高分子の物性は分子の形状に大きく影響を受けることが知られており,解析には分子レベルのシミュレーション,例えば分子動力学法(MD)が有用であると期待される.しかしながら高分子の緩和時間のタイムスケールはMDで計算可能なそれに比べて10桁以上長いため,高分子のダイナミクスのすべてをこれで解明できるわけではない.本研究の目的はアトミスティックなMD,粗視化MD,そしてNAPLESのようなメソスケールシミュレータ間の相互接続手法を開発し,長時間にわたる高分子の緩和のシミュレーションを可能にすることである.今回はその中でもアトミスティックMDと粗視化MDの接続手法について議論する.
抄録全体を表示
-
増渕 雄一
セッションID: OS01-08
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
Pom-Pom分岐高分子の伸長粘度をPrimitive Chain Networkシミュレーションで予測し,定量的に予測できることを確認した.
抄録全体を表示
-
檜山 敏之, 宮田 剣, 西岡 昭博, 香田 智則
セッションID: OS01-09
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
近年、包装技術において、ヒートシールは最も多用されている接着技術の一つである。ヒートシールとは、フィルムの接着層の上下から熱と圧力を同時に印加し、冷却、固化させることにより接着する手法である。ヒートシールを行う際に、温度、時間、圧力等の条件を調節することで様々な特性を付与することが可能となる。この技術は、工業的な包装のみならず食品包装、医薬品包装などといった様々な分野で広く使用されている。しかし、ヒートシールは工業的なノウハウに支えられ、発展した技術であるために、ヒートシール時の微視的なスケールでの接着メカニズムの詳細は未だ明らかにされていない。そこで本研究では、分子鎖相互作用及び分子量、分子鎖長に着目し、分子動力学シミュレーションを用いた分子鎖の緩和挙動解析と、レオロジー測定による高分子の緩和挙動の評価を行った。
抄録全体を表示
-
高橋 遼平, 青木 雄二, 西岡 昭博, 西辻 祥太郎, 宮田 剣, 香田 智則
セッションID: OS01-10
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
熱可塑性エラストマー(Thermoplastic Elastomer、以下TPE)として用いられているABA型の三元ブロック共重合体は、高温域での成形が困難と言われている。そのため、成形性を向上させるためにオイルや他の高分子が添加されている。
ABA型ブロック共重合体は秩序-無秩序転移(Order-Disorder Transition, ODT)を示すことが知られている。また、ODT温度はオイルの添加により、低下することが報告されている。しかし、ABA型ブロック共重合体にオイルを添加した際の相構造は明らかになっていない。更に、ODTの確認についてはレオロジー測定が一般的であるため他の視点からの確認はあまり行われていない。本研究では、三元ブロック共重合体(SEEPS)/オイルブレンド系の相構造を小角X線散乱測定から明確にし、レオロジー測定から得られたODTとの相関を得る事を目的とした。
抄録全体を表示
-
伊藤 博之, 西岡 昭博, 宮田 剣, 香田 智則
セッションID: OS01-11
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
プラスチック成形加工工程において樹脂は主にせん断、一軸、二軸、平面伸長流動を受ける。特に伸長流動におけるひずみ硬化性は成形加工性に大きく影響するため実用上非常に重要である。ひずみ硬化特性は分子構造や流動様式の双方に影響される。そのため、各伸長流動下におけるひずみ硬化性を理解することは、成形加工性に優れた材料設計を行う上で非常に重要である。一般に高分子溶融体における一軸、二軸、平面伸長流動のひずみ硬化性には、材料の分岐構造が大きく影響することが広く知られている。分岐状のLDPEと直鎖状のL-LDPEを比較した際、一軸伸長粘度測定におけるひずみ硬化性は大きく異なる。しかし、二軸及び平面伸長下のひずみ硬化性は一軸伸長時ほど顕著な差は見られない。この結果は材料の分岐構造とひずみ硬化性には強い相関があることを意味する。本講演では材料の分岐構造や分岐度と各伸長流動下におけるひずみ硬化性との相関を得ることを目的とした。
抄録全体を表示
-
香田 智則, 藤森 省吾, 西岡 昭博
セッションID: OS01-12
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
本研究では、ずり流動下のシミュレーションをモンテカルロ法を用いて行う手法の検討を行った。すなわち、ずり流動を起こす外力を表現するポテンシャル場を導入し、メトロポリスの方法において連続的なずり変形を加え続けることを提案した。剪断歪みが周期境界条件と矛盾しないところで、歪みゼロの状態と関連づける操作を導入し、連続的にシミュレーションを行った。また、このシミュレーション手法の有用性を評価するために、液晶構造を示すことが知られている、剛体冠球円柱の系で検証を行った。本シミュレーションにより、ずり流動に誘起される等方-ネマチック相転移が確認できた。また、流動の方向とネマチックの配向ベクトルのなす角度、すなわち、流動配向角を確認することができた。
抄録全体を表示
-
中村 玄
セッションID: OS02-01
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
本のMRE研究グループが、MRE データ解析として培ってきた修正積分法やそのほかのデータ解析手法とその適用に関して、進捗状況を報告する。
抄録全体を表示
-
山本 隆夫
セッションID: OS02-02
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
MRE(Magnetic Resonance Elastgraphy)では、振動増感傾斜磁場(MSG)を加えたことによるMRIシグナルの位相のずれから生体の粘弾性運動を測定する。この測定プロセスに多くのノイズが入る。このノイズの性質を解析するために、生体の運動を位相のずれの時間変化として記述することを試みる。
抄録全体を表示
-
藤原 宏志
セッションID: OS02-03
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
MRE (Magnetic Resonance Elastography) の開発において、剛性率同定のための理論と実験にならび、数値的取り扱いも重要となる。MREへの応用を想定すると、3次元の粘弾性方程式を数理モデルとして、縦波と横波の取り扱いが必要となる。本研究では特に Voigt型の粘弾性方程式を対象とし、これらの数値計算を実現するうえでの困難点について述べる。
抄録全体を表示
-
小澤 慎也, 菅 幹生, 池田 啓, 小山 敦久, 若山 哲也, 岸本 理和, 小畠 隆行
セッションID: OS02-04
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
MRE (magnetic resonance elastography)はMRI装置を利用して弾性率分布を定量的かつ非侵襲的に測定する手法である.MREは外部振動による弾性波を画像化し,弾性 率推定式により弾性率分布を求める.弾性波画像はノイズに対して弾性波の振幅が十分に大きく,加振周波数が高いほど正確な弾性率推定が可能である.大きな振幅を発生させるために空気圧型加振装置が最も利用されているが,生体の粘性や振動エネルギーの3次元的分散により生体表面に加えた振動から発生する弾性波は生体内部で急速に減衰する.本研究では,複数振動子を用いた空気圧型加振装置によって,被験者への負担の軽減と生体内への弾性波の効率的な伝搬を両立す る方法を確立することを目的とした.発表では振動子数を1つと3つにしたファントム実験およびin-vivo実験の結果を示す.
抄録全体を表示
-
池田 啓, 菅 幹生, 小澤 慎也, 小山 敦久, 若山 哲也, 岸本 理和, 小畠 隆行
セッションID: OS02-05
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
Magnetic Resonance Elastography (MRE)は,対象外部からの振動による弾性波を振動増感傾斜磁場によって画像化し,弾性波画像に対し逆問題を解くことで弾性率分布を推定する.ヒト脳を対象とした研究においてもbite-barなどの加振装置を利用することが一般的である.これに対して,振動を誘発する傾斜磁場(Vibration Inducing Gradient:VIG)により生じるガントリ振動を利用して撮像をするTable-Resonance Elastography with MR(TREMR)が提案されている.TREMRの利点は外部加振装置を必要としないことであるが,共振周波数に依存した低い周波数で小さな振幅の振動しか発生できない.定量性と空間分解能を向上するためには対象に応じた周波数の設定と,振幅の向上が必要である.本研究では,VIGの周波数と周期を制御可能なシーケンスを開発するとともに,変位計を用いてヘッドコイルの変位を測定することを目的とした.ヘッドコイルに乗せるファントムの重さとVIGの周波数を変化させ、振動増感傾斜磁場印加期間の振幅特性の変化について発表する.
抄録全体を表示
-
小山 敦久, 菅 幹生, 小澤 慎也, 池田 啓, 若山 哲也, 岸本 理和, 小畠 隆行
セッションID: OS02-06
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
超音波診断装置と磁気共鳴画像装置 (Magnetic Resonance Imaging, MRI)を利用することで生体組織の硬さを非侵襲かつ定量的に測定できる.このような手法はエラストグラフィと呼ばれている.超音波エラストグラフィの手法としてVTTQ (Virtual Touch Tissue Quantification)がある.VTTQは集束超音波パルスの音響放射圧によって組織内に発生するせん断弾性波の伝搬速度を測定し,狭い関心領域(5 mm x 6 mmまたは10 mm x 6 mm)の内部における生体組織の弾性率を推定する.一方,MRエラストグラフィ (Magnetic Resonance Elastography, MRE)は外部振動によるせん断弾性波を画像化し,推定式により弾性率分布を求める.本研究では物理測定値が既知な複数のゲルファントムを用いてVTTQとMREの定量性と再現性を比較評価することを目的とした.VTTQは2種類のプローブ(コンベックス・リニア)を用いた.測定領域の深さ・硬さ・大きさ,超音波プローブとMRE振動子をファントムに押し当てる強さ,MRE撮像における周波数などの撮像パラメータについて検討し,測定条件の違いによる定量性や再現性の変化を確認した.
抄録全体を表示
-
八柳 祐一, 羽鳥 尹承
セッションID: OS03-01
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
プラズマで知られたKlimontovich formulaを2次元点渦系に適用し,2次元点渦系に内在する拡散効果を定量的に評価し,具体的表式を得た。特に全点渦の循環が等しい場合には,粒子数をNとして1/N
-1/2に比例する。これはN→∞の連続体極限でこの拡散項が消えることを意味し,2次元オイラー方程式の形式的解である点渦系の解釈とも整合すると考えている。
抄録全体を表示
-
三浦 英昭, 荒木 圭典
セッションID: OS03-02
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
MHDシミュレーションは太陽風や核融合装置中のプラズマの乱れた流れを調べる ために行われる事が多いが、短いスケールではイオンスキン長など(一流体)MHD 近似では省略されている効果の影響を受けると考えられる。ここでは、ホール項 の導入でMHD乱流の渦構造が如何に変化するかを調べる。一流体MHD乱流では電流 層と強く一体化した構造をもつ強渦度領域が、ホール項の導入により独自の構造 を形成する事を示す。Hall MHD乱流の要素構造は渦層、渦管、電流層等から形成 されるものと考えられる。このような短かいスケールの構造が長いスケールの構 造に与える影響を調べる。
抄録全体を表示
-
太田 雅人
セッションID: OS03-03
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
ボーズ・アインシュタイン凝縮のモデルとして現れる、3次の非線形性と捕捉ポテンシャルを含む、2成分の非線形シュレディンガー方程式系を空間2次元において考える。プランク定数が十分小さいとき、2成分間の相互作用が引力的である場合、単一ピークの定在波は軌道安定であり、相互作用が斥力的である場合は、軌道不安定であることを示す。
抄録全体を表示
-
三瓶 明希夫, 比村 治彦, 政宗 貞男, 大木 健輔, 際本 泰士, 伊藤 清一, 曽我 之泰, 青木 順
セッションID: OS03-04
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
非中性プラズマにおいて.プラズマの密度の高い部分が自発的に規則的な配列を作る「渦結晶」が観測されている.また,トーラスプラズマの一つである逆磁場ピンチにおいても,プラズマ中にヘリカル構造が自発的に形成される現象が観測されている.本講演では,これらの自己組織化現象について紹介する.
抄録全体を表示
-
佐藤 友彦, 大塚 浩史, 鈴木 貴
セッションID: OS03-05
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
We study asymptotic non-degeneracy of multi-point blowup solutions to the Liouville-Gel'fand problem $-\Delta u = \lambda V e^u$ (which is a nonlinear exponential type equation) in two-dimensional bounded smooth domain $\Omega$ with Dirichlet boundary condition. Here $\lambda>0$ is a parameter and $V$ is a positive $C^1$-class function on $\bar{\Omega}$. It is known that the solution concentrates on a critical point of a Hamiltonian as $\lambda \downarrow 0$. We show that if this critical point is non-degenerate, then the associated solution is linearly non-degenerate, which is a natural extension of the case of the constant coefficient. Technical modifications are used in the proof to control residual terms.
抄録全体を表示
-
澤田 謙
セッションID: OS03-06
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
2次元乱流の研究のためにOnsagerによって導入された点渦系の3次元への拡張ととらえられる渦糸系について考える.この渦糸系は点渦系と同じように双対変分構造をもち,渦糸系の流線関数と渦度に関する平均場方程式はひとつのLagrangianから導かれることを示す.また,それらの平均場方程式の解の存在についても議論する.
抄録全体を表示
-
廣田 真, Morrison P. J.
セッションID: OS03-07
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
流体に対するオイラー方程式ではケルビンの循環定理によって、渦度の保存則が成り立つが、プラズマ(電離気体)の運動を記述する理想電磁流体方程式においても同様な磁束の保存則が成り立つ。一方、太陽表面や磁気圏、実験室プラズマでは磁気リコネクション(磁力線のつなぎ換え)が起きており、このような保存則の破れを説明するには、方程式に何らかの特異摂動を加える必要がある。しかし、荷電粒子の衝突による散逸効果(電気抵抗や粘性)は現実のプラズマでは非常に小さいため、散逸以外(無衝突)の微視的効果が重要とされ、その物理機構が盛んに研究されている。本研究では「電子慣性」の効果を特異摂動として含んだ数理モデルに対し、散逸を含まない力学系であることに着目して変分原理を定式化した。これを磁気リコネクションの線形及び非線形発展の解析に応用した結果を示す。
抄録全体を表示
-
前川 泰則
セッションID: OS03-08
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
2次元半空間における非圧縮性粘性流体に対する渦度方程式を考察する。渦度場に対する境界条件は、境界上で速度場が0(no-slip境界条件)となるように設定される。線形化方程式に対しては、フーリエ・ラプラス変換を用いることで、(Stokes方程式の場合と同じく)解公式を導くことができる。本講演では、渦度方程式に対する解の存在定理や粘性零極限における渦度場の挙動や境界層の生成などに関し、解公式を用いて数学的に得られる結果を紹介する。
抄録全体を表示
-
池田 寛, 小園 茂平
セッションID: OS03-09
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
マルチファン型風洞に低波数帯域において有限個の正弦波からなる合成信号を入力して強乱大スケールの乱流の生成を試みた.各ファンの信号には位相差を与えた.その結果乱流レイノルズ数R~753の高レイノルズ数を達成した.等方性理論や過去の一様乱流の実験による結果と減衰指数や等方性を比較した.
抄録全体を表示
-
石井 克哉, 安達 静子
セッションID: OS03-10
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
長方形キャビティの上面を一定速度で動かすことにより引き起こされる,キャビティ内の3次元定常流について数値シミュレーションを行った。種々のアスペクト比,スパンアスペクト比をもつキャビティについて,Reynolds 数が100から500の範囲で流れの構造を調べた。
計算により得られた速度場を用いて,ある点から出発した流体粒子の軌跡を描いて,流線の可視化を行った。その結果,流線の局在化やカオス的流線の存在が確認された。上面の移動の向きに垂直な平面と流線の交点を描いてPoincare 断面を作成した。非自励1次元Hamilton系で知られている,不変トーラスと共鳴による分裂,そしてカオス的分布の構造がPoincare 断面上に見られた。流線によるトーラス構造があるときには,流線に沿った運動は2つの振動数をもつ。すなわち,トーラスの軸に沿う運動の振動数とそれに垂直な運動の振動数である。これらの振動数およびその比のReynolds 数に伴う変化が,キャビティのアスペクト比にどのように依存するか調べた。
抄録全体を表示
-
服部 裕司, 福本 康秀
セッションID: OS03-11
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
らせん状の渦は回転翼をもつ機器、すなわちヘリコプター、風車、船のスクリュー、ターボ機械のインペラなどにおいてあらわれ、これらの機器の性能を左右するだけでなく、騒音などの問題を引き起こす。われわれはらせん渦のモデルの線形安定性を解析的に調べた。流れは非粘性、非圧縮性とする。一定の曲率と捩率をもつらせんを中心線とし、有限サイズの核をもつらせん渦モデルの流れ場を、無次元化された曲率εをパラメタとして摂動展開により求めた。安定性解析の手法としては局所安定性解析とモード安定性解析を用いた。εの1次でパラメタ共鳴不安定性が発生する。これは曲率不安定性と軸流の効果によるコリオリ力不安定性の重ね合わせによるものである。εの2次では、捩りおよび自己誘導速度による回転の効果と、軸流と捩りの結合効果により不安定成長率は修正を受ける。
抄録全体を表示
-
福本 康秀
セッションID: OS03-12
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
回転流や渦流に立つ波をケルヴィン波といい、一般に3次元的である。定常渦流は、2個のケルヴィン波が共鳴を起こすことによって不安定となる。これをMoore-Saffman-Tsai-Widnallの不安定という。ハミルトン力学系のスペクトルの観点からは、共鳴を起こすケルヴィン波のエネルギーの符号が異なるか、両方とも0であることが不安定であるための必要条件である。実際に、波のエネルギーを撹乱振幅について2次まで計算しようとすると、撹乱を「運動学的に許容される」もの、すなわち、任意の局所的な循環をすべて保つものに制限する必要がある。この制限の副産物として、撹乱の非線形相互作用によって誘起される振幅について2次の平均流を計算することができる。本講演では、この平均流が擬運動量とストークスドリフトからなることを示し、それぞれの意味するところについて考える。
抄録全体を表示
-
栗田 健次, 安永 卓矢, 石井 克哉, 平野 靖
セッションID: OS03-13
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
肺がん患者に対して肺の一部を切除する肺葉切除術というものがある.この手術では,切除してできた空洞を埋めるため,術後に気管や気管支が変形する.また,場合によっては呼吸機能障害が生じることがある.しかし,どのような場合にそのような副作用を起こすのかは明らかになっておらず,内部の流れを調べることでその原因を解明できるのではないかと考えられる.そこで本研究では,呼吸機能障害が生じた患者と生じなかった患者のCT画像に基づいて気管支モデルを作成し,その内部流れの数値シミュレーションを行った.その結果,呼吸機能障害のある患者は,流れが左気管支に偏っていることが分かり,流量を調べることで医師の診断を定量的に評価することができた.また,肺葉を切除していない健常者に関しても気管支内流れのシミュレーションを行い,健常者の場合も含めた比較を行った.
抄録全体を表示
-
石本 健太, 山田 道夫
セッションID: OS03-14
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
流体中を遊泳する微生物の運動を制限する定理として
帆立貝定理(scallop theorem)がよく知られている.
これは,質量ゼロの生物が定常Stoke流中で帆立貝の
ような往復形状変形をする場合,変形の1周期で
生物の位置と向きが元に戻るというものである.
我々は生物と流体の慣性を考慮した場合に定理がどの
ように破れるのかを検討するために,球形生物がその
表面を微小変形させる微生物モデル(squirmerモデル)
を非定常Stokes流体中に拡張した.
このモデルはボルボックスやゾウリムシのような生体表面の繊毛によって泳ぐ
微生物のモデルとして古くから用いられており.
講演ではこの拡張されたモデルから得られた結果を紹介するとともに,
これらの微生物のサイズスケールが推進力に及ぼす影響に関しても言及したい.
抄録全体を表示
-
岩渕 司, 高田 了
セッションID: OS03-15
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
コリオリ力の影響を考慮したNavier-Stokes方程式の初期値問題について考察する.Sobolev空間の枠組みにおいて,任意の初期速度場に対する軟解の局所存在と一意性を証明する.更に,コリオリ力と初期速度場を用いて,解の存在時刻に対する特徴付けを与える.その特徴付けにより,回転が十分速い場合に,解の存在時刻は任意に大きく取れることを示す.
抄録全体を表示
-
郷田 直輝
セッションID: OS03-16
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
宇宙には広大なスケールに渡って様々な天体が存在し,階層構造を形成していることが分かっている.これらの天体の起源と形成過程や力学構造等を解明することが宇宙物理学の大きな課題の一つである.この課題の解明のためには,実際的に長距離力である重力が運動を支配している重力多体系での緩和過程,(準)平衡状態,定常状態の安定性などの物理的特徴(それを本章では”自己重力系の自己組織化”と呼ぶことにする)の解明が重要となる.本講演では,短距離力が支配している通常の気体などの系における緩和過程と自己重力系との違いや,自己重力系でのカオス的遍歴現象など,”重力多体系の自己組織化”に関して説明する.
抄録全体を表示
-
中村 和幸
セッションID: OS04-01
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
外的な入力が無いにもかかわらず,集団で相互作用することにより秩序を持ち始めるという
自己組織化現象は,熱帯域における台風の生成など種々の実現象に現れる.
本研究では,このような現象の一つとして複数の樟脳粒が相互作用する系を取り上げ,
系内に現れる相互作用に関連するパラメータを複数の逐次データ同化手法により推定する.
この結果を通じて,自己組織化現象に対する逐次データ同化手法の適用性について議論する.
抄録全体を表示
-
庭山 律哉, 長尾 大道, 樋口 知之, 木村 暁
セッションID: OS04-02
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
動植物細胞の内部では、細胞質流動と呼ばれる全体的な流れが生じる。モデル生物、線虫
C. elegansにおいても、受精直後に細胞質流動が観察される。この細胞質流動は個体発生の方向性(前後軸)の決定において重要な働きをしている。発表者らはこれまでに線虫胚における細胞質流動の流速の空間分布の定量化に成功している。また、流体力学シミュレーションを行い、観測した流速分布をおおむね説明できることを見いだした(Niwayama
et al. PNAS 2011)。今回我々は、データ同化解析を行い、分子モータータンパク質による流動の原動力の発生位置と強さの推定を行ったことを報告する。解析の結果、流動の速さと力の発生の空間分布は必ずしも比例関係にあらず、流動の遅い領域でも多くの力が発生していることが推定された。本発表では、細胞内の現象の理解にデータ同化がどのように貢献するか、実例とともに議論したい。
抄録全体を表示
-
長尾 大道, 小林 直樹, 深尾 良夫, 冨澤 一郎, 樋口 知之
セッションID: OS04-03
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
大地震が起こった際には、それによって励起された波動が電離層内を伝搬していくことが、観測的に示されている。著者はこれまでに、固体地球‐大気結合系1次元モデルのノーマルモードを利用した数値シミュレーションにより、2008年に起こった岩手・宮城内陸地震によって励起された気圧変動を説明することに成功した。本研究では同じ手法を用いることにより、やはり同地震の際に菅平のHFドップラー観測で捉えられた電離層の上下変動を、中性大気を伝搬する音波波動として理解できることを示した。講演においては、他の地震の場合に得られたさらに多くの観測点で得られたHFドップラーデータを総合的に解析することにより、大地震によって励起される大気変動の時空間構造を包括的に理解することを目指す。
抄録全体を表示
-
加納 将行, 後藤 浩之, 宮崎 真一
セッションID: OS04-04
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
地震時の動的な破壊をシミュレーションするためには、断層面の摩擦係数や応力状態などのパラメタを具体的に設定する必要があり、実地震におけるこれらの値を知ることは重要である。Ide and Takeo (1997)は、運動学的な手法を用いて断層すべり分布を推定し、この分布が完全に正しいという仮定のもとで応力や変位を計算してパラメタを推定した。しかし、運動学的な手法で推定されたすべり分布には平滑化や種々の拘束条件による推定誤差が含まれるため、正しい値が求められている保証はない。一方、動力学的手法で直接パラメタを推定する方法は、応力ひずみ関係を厳密に満たす解が得られるが、強い非線形性のために、その推定には膨大な計算時間を要する(たとえば、Peyrat and Olsen (2004))。そこで、本研究では運動学的に得られたすべり分布の推定誤差を考慮した上で、動力学的な拘束条件を満たすパラメタをアジョイント法により推定する手法を開発した。本発表では、上記の手法を用いて人工的なすべり分布から動的パラメタの推定を行った双子実験の結果を発表する。
抄録全体を表示
-
櫻井 玄, 上村 真由子, 米村 正一郎, 飯泉 仁之直, 白戸 康人, 横沢 正幸
セッションID: OS04-05
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
陸上生態系の土壌は大量の炭素を蓄えている。地球環境変化に対する土壌有機炭素の反応、特に温暖化に対する反応は、その動態が炭素循環に重要な影響を与えるため、近年注目を集めている。特に、土壌の性質によって土壌有機物分解速度の温度依存性がどのように異なるのかという問題は、非常に重要な問題となっている。本研究では、土壌炭素動態に関する長期実験データ (9年間の畑圃場データ) を用い、将来の炭素動態予測に広く用いられているRothamsted carbon model (RothC) の温度依存性に関するパラメータをデータ同化した。方法としては、メトロポリス・ヘイスティング法とパーティクルフィルター法のハイブリッド法を用いた。その結果、土壌有機炭素の分解速度の温度依存性は、土壌の性質によって変わらないことが示唆された。さらに、将来予測において、我々は難分解性土壌有機炭素の温度依存性と二酸化炭素放出量に相関があることを確認した。また、RothCモデルのデフォルトパラメータは、将来の二酸化炭素発生量を過剰評価する可能性が高いことを示唆した。
抄録全体を表示
-
豊田 隆寛, 藤井 陽介, 安田 珠幾, 碓氷 典久, 岩尾 尊徳, 蒲地 政文
セッションID: OS04-06
発行日: 2012年
公開日: 2012/03/28
会議録・要旨集
フリー
海洋研究において、海洋モデルによるシミュレーションは初期値や外力、プロセスに誤差を含み、一方、海洋観測は断片的である。データ同化は、これらを融合して現実に即した解析場・時間発展を得ることが出来る点で、有効な手段を与えている。気象研究所では、海洋の季節から経年変動の解析のため、また、気象庁の季節予測に必要な海洋初期値を与えるため、全球を対象とする海洋データ同化システムを開発してきた。本発表では、このシステムの全体像について紹介する。また、近年、海氷減少など北極圏における気候変動が注目され、その変動が大気場を通じて中緯度へも影響していることが理解されつつある。今回、季節予報の精度向上に向けて、北極海を含む全球に拡張するなど、システムの更新を行ったので、これについても紹介する。
抄録全体を表示