日本精神保健看護学会誌
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統合失調症であると知った当事者の主観的体験
藤本 浩一川口 優子
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2008 年 17 巻 1 号 p. 103-112

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抄録

本研究は統合失調症であると知った当事者の主観的体験を明らかにし、提供できる看護援助を検討することを目的とした。統合失調症者6名に半構成的面接を行い、その体験を質的帰納的に分析した。分析は1)統合失調症であると知った方法について、2)知ったときの思いについて、3)知ってからの対処について、4)家族との話し合いについて、5)看護師に期待すること、の5つの視点に基づいて行った。結果の分析より、統合失調症であると知った当事者は多様な感情を抱き、それに対する対処を行っていた。また呼称変更後も統合失調症であることを隠したい思いを抱いていた。以上から看護者は個々の当事者を取り巻く環境と対処について理解し、当事者の病いの受容のレベルに合わせた看護実践を行うことが重要であることが示唆された。

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© 2008 一般社団法人日本精神保健看護学会
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