日本精神保健看護学会誌
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看護学生が実習中に患者から受けた暴力被害の実際とその影響
森野 貴輝
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2014 年 23 巻 2 号 p. 41-50

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抄録

本研究は,看護学生(以下,学生とする)が実習中に患者から受けている暴力被害の実際とその影響を明らかにすることを目的に,専門領域実習を終えた4年生77名を対象に自記式質問紙調査および半構成的インタビューを実施した.質問紙調査の有効回答率は71.4%で,患者から「叩かれる」「怒鳴られる」「わいせつな言動」などの暴力行為を一つ以上経験した学生は約6割を占めた.暴力の種別では言葉による被害が最も多く,被害について3割の学生が「記憶・情景がよみがえった」と回答した.被害を受けた際の対処は「同じ実習メンバーに話した」が最も多かった.インタビュー調査では,暴力被害の体験を嫌悪すべきこととして自身から引き離しネガティブな感情からの影響を少なくしようとしたり,暴力の後に教員や臨床指導者から受けた助言を受け取ることができず,その原因を自分に求めたり,また再び患者と向き合うように促されても抵抗や困難を感じていることがわかった.これらのことから教員および臨床指導者は学生個々に生じた暴力の影響を理解し,学生が暴力を看護過程の途上に生じた重要な場面として捉え,その経験を学生なりに解決できるような教育支援が必要であることを示唆している.

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© 2014 一般社団法人日本精神保健看護学会
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