日本精神保健看護学会誌
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研究報告
精神看護学実習における看護学生の援助行動に結びつく共感を育成する指導の実態
小西 利奈
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2017 年 26 巻 1 号 p. 1-9

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抄録

本研究は,精神看護学実習において看護学生の援助行動に結びつく共感を育成する指導の実態を明らかにすることを目的とし,看護系大学の教員10名を対象に半構造化面接を行った.グラウンデット・セオリー・アプローチを用いて分析を行った結果,コアカテゴリーとして【学生が脅かされない安全・安心感の提供】,カテゴリーとして【学生の気持ちに寄り添い患者学生双方の状況整理を手伝う】【統合失調症の症状が生活に及ぼす影響に重点を置いた指導】【学生の能力を見極め到達目標を下げる】が抽出された.

【学生が脅かされない安全・安心感の提供】は,学生の自己の安全空間を支えることであり,自己の空間を広くとることで,恐怖心がありながらも自我の自律的機能でその恐怖を乗り越え,患者に目を向ける余裕ができることを目的として行われていたと考えられた.

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© 2017 日本精神保健看護学会
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