2017 年 26 巻 2 号 p. 21-30
本研究の目的は,精神看護専門看護師(以下CNS)が行う精神科長期入院患者の退院に向けた支援を明らかにすることである.1年以上入院しているケア困難な精神障害者への支援および治療チームへのコンサルテーションを行っているCNS7名を対象に半構造化面接を行い,CNSが行う支援に関するデータを得た.データの分析にはGTAを用いて質的に分析を行った.その結果7つのカテゴリーと26のサブカテゴリーが抽出された.CNSは病棟看護師とケアを振り返り,提供できているケアとできていないケアを明確にしていた.また,患者への介入の糸口が見えない病棟看護師とその患者との治療的な関係を構築していた.さらには,長期入院患者が新しい試みを行う際に動機づけを明確にすることや,患者家族に対しての支援を行っていた.