日本精神保健看護学会誌
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研究報告
地域在住の精神障害者が感じる居場所感が社会参加への関心に及ぼす影響
糸島 弘和井上 幸子
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2017 年 26 巻 2 号 p. 11-20

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抄録

緒言:精神障害者が地域生活を継続するためには居場所が必要であると言われている.本研究は,精神障害者が感じる居場所感が地域定着や社会参加への関心に関連しているかどうかを明らかにすることを目的に実施した.

方法:A県内の通所施設を利用する精神障害者を対象に,自記式あるいは聞き取りで調査票への回答を依頼し,231名よりデータを収集した.独立変数を居場所感,従属変数を社会参加への関心とし,ロジスティック回帰分析を用いてオッズ比(OR)および95%信頼区間(CI)を算出した.

結果:精神障害者の居場所感が高いことは,社会参加への関心が高いことに有意に関連しており,調整モデルでも同様の結果であった(OR 1.34, CI 1.20–1.49).居場所感尺度の3つの下位尺度は,いずれも社会参加への関心と関連があった.

結論:精神障害者の社会参加への関心を高めるためには,居場所感を高める支援が有効であることが示唆された.

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© 2017 日本精神保健看護学会
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