2024 年 33 巻 2 号 p. 101-108
家族の心の病気のことを思いながら育ち,いつしか私の関心ごとの大部分を占めていました.母の心の病と付き合ってきた私自身の経験を紹介し,ヤングケアラー支援という現場に立ち学んできたことを紹介します.国の動きとともに,心の病気の家族を持つ子どもたちが以前より知られるようになりました.お読みいただき,1人でも多くの子どもに関心を向けてくれる大人が増えることを願っています.
私が小学校の時に母が統合失調症を発症しました.発症時は大変で,父が警察に電話をしましたが「家族のことは家族でどうにかしてください」と言われてしまったことは,その後10年以上家族の中で抱え込むことに影響していたと感じています.
母は,職場での人間関係がストレスとなって再発しているようでした.職場を何度か辞めていく母を見て,なぜみんな母に優しくしてくれないのだろうか,母は病気なのに….けれど,母自身が病気と認めていなかったので,もちろん周囲の人に理解を得ることはできません.なぜ,病気なのに頼れないのか,話せないのか,優しくされないのか,それは本人が,大人が,社会が偏見を持っているから.困っていることを困っていると言えない社会なんだ,頑張っていても助けてくれるわけではないんだ….どうしていいか分からない無力感と孤独感が募りました.母の病気を通して見てきた世間の偏見と孤独が辛かったです.
通院や服薬が続かず,再発を繰り返しました.問題を見ないふりをしていたら,いつの間にか家族の中で他の問題も重なっていき,大切な話は何もできなくなりました.
中学の頃はすべての感情を流し,先のことを考えることもやめて学校にも行かなくなりました.そんな私の進路に声を掛け続けてくれた先生のおかげで,私はなんとか定時制の高校に進学ができました.私の未来を信じてくれた大人がいたからこそ,高校をなんとか通学し卒業まで続けることができました.
混沌とした日々に対処するために,母の病気について相談できる人と出会いたいと思い,看護学校に進学をしました.准看護学校を経て正看護学校へ進学し,看護学校で家族会の存在を知りました.20歳前後の私は,金銭的なやりくりのための仕事と学校,月一度のお休みには母の通院や家族会に行くなど,大変多忙な日々でした.通院に一緒に行くうちに,中学生くらいまでは何も声を掛けてこなかった医療者の方から,次第に診察時に「お母さん,娘さんの言うことをよく聞くんだよ」と母が言われ,年齢を重ねるに連れて私は母の良き支援者だと思われていたのだろうと思います.ただ,私は安心して過ごしたかった.
高校生のころから「社会資源」という言葉をインターネットで知り,市役所で書類をもらい調べたりして,それを理解するまでに5年以上がかかりました.
色々試行錯誤しながら,転機はナイチンゲールの本を読んで「環境を整えることが大切」と思ったことでした.家の引越しはできないので,当時ゴミ屋敷と言われたことさえある家の大掃除を具合の悪い母と一緒にやりました.そして,看護学校の先生が紹介してくれたクリニックで,初めて母は病気と薬の説明をうけました.
母が発症してから18年ほど経ち,少しずつ社会資源を活用できるようになり,自立支援医療や障害年金,手帳の取得など社会に支えられると同時に,家族も余裕ができ,気がついたら母の心の波もなくなり,寛解したと言えるまでになりました.当時は死にたいと泣いていた母が,長生きしたいと言っていた時は驚きました.生きることは,こうして変化することなんだなぁ..と私も人の回復を感じました..
私は大人になっていくと同時に,生きづらさを実感していきました.社会人として求められるスキルは,子どもの頃から自分が頑張ってきたこととは真逆だったことに気づきました.人に相談したり自分の意見を言うこと,適度に力を抜いたり,誰かを頼ったり,人を信じたり,未来を考えていくことに大きな壁を感じました.家族会(こどもぴあ)で同じ立場の仲間と出会い,全国に同じような気持ちを抱えながら大人になった仲間がたくさんいることに気づきました.
孤独感は消えずとも,繋がりがあることで支えになり前を向いていけることも知りました.精神科病院に従事し,看護としてできることを学んできました.特にオープンダイアローグとトラウマケアのスキルはとても役立ち,多くの対処スキルを得ることができて対話を通して家族と向き合うことを知りました.
子どもの立場は,メンタルヘルス不調のリスクがとても高いことは明らかです.精神科病院で働きながら,子どもや若者へ病気となる前に予防的に関わりたいと思い,今はヤングケアラー協会という団体に所属し,ヤングケアラーコーディネーターを担っています.
隣の誰かのことも遠くの誰かのことも,巡り巡って自分のことと思えるような,そんな社会になったら,誰もが病気になっても安心できるような社会になったらいいなと思い,活動しています.
ここ5年くらいヤングケアラーを支援する動きが国内で始まり,今年ついにヤングケアラー支援を努力義務として法律に明記されました.
子ども・若者育成支援推進法(子ども・子育て支援関連法一括改正)
第2条(基本理念)第7号
就学及び就業のいずれもしていない子ども・若者,家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に行っていると認められる子ども・若者,その他の社会生活を円滑に営む上での困難を有する子ども・若者に対しては,その困難の内容及び程度に応じ,当該子ども・若者の意思を十分に尊重しつつ,必要な支援を行うこと
この,子ども若者育成支援推進法に追記されたことで,「子ども」だけが対象ではなく「若者」も含まれ,途切れのない支援が展開されることになります.
ヤングケアラーの困難さは多様ですが,大きくいうと「子ども」であるということと,「ケアラー」であるという二重の苦労があることが言われています.子どもは,本来は成長発達の途上にあってケアを必要としている年齢であるということと,ケアラーという大人であったとしても多くの情報やサポートを必要としている存在だということです.また,子どもの場合は大人のケアラー以上に,必要な情報を得られにくく,説明を受ける機会が少なく,意見を伝える機会がない状況にあります.そういった状況は,子どもが必要な時に必要なものを得られにくいことにつながり,また意見を表明したりアドボケイトの機会が得られないという「子どもの権利」と密接に関わる部分になります.
多くのことを一人で解決しないといけないことは,子どもにとってとても困難な状況です.最近では,特に14歳から16歳の間でヤングケアラー状態が継続していると,自分を傷つける行為(自傷行為)や,死にたくなる気持ち(希死念慮)を持つリスクが高まることも,研究により明らかになりました.(Stanyon et al., 2024)
イギリスのヤングケアラー支援ヤングケアラーという言葉自体はずっと前から存在し,世界ではいろいろな支援が進んできました.イギリスでは2014年に「ケア法」という法律が制定され,ヤングケアラーを「他の人のためにケアを提供している,または提供しようとしている18歳未満の者(ただし,ケアが契約に従って行われている場合や,ボランティア活動として行われている場合は除く)」と定義されています(18歳~25歳をヤングアダルトケアラー,25歳以上をアダルトケアラーとしてそれぞれ支援のあり方が考えられています).
イギリスの概念だと,ケアを提供しようとしているということも含まれていて,幅広く子どもたちが“困る前”から支える取り組みが進められてきました.ヤングケアラーの子どもたちを要支援児童として位置付けられて,子どもの支援を行っている状況があります.
ヤングケアラーが実際どのようなことを日々しているのかというと,個人個人において多様です.親に心の病気のある子どもの立場では,「精神的なケア」をしていると答えている方が一番多く,次いで「家事」「親の医療的なケア」をしていたと答えている方が多いです(蔭山ら,2021)
「情緒的ケア」とは具体的に言うと,例えば話し相手になったり,愚痴を聞いたり,時には死にたいというような話を聞くなんていうことも起こります.特に家族の「死にたい」という話を聞くことは,子どもにとってとても重たいケアの一つだと言われています.
ケアをしていること自体ももちろん大変なのですが,実際には決してそれだけではなく,その状況によって起こる様々な心理的葛藤や,家族との関係,周囲との関わりなどに苦慮し,そして周囲に支えられない孤独感やつらさを感じている人が多いです.私の経験でも,母の病状によって起こる話の内容がわからないような(支離滅裂な)話を聞くことももちろんとてもしんどいものでしたが,それよりも周囲からの偏見の言葉や優しくされない母を見て間に入る悲しさの方が辛かったようにも思います.
また,認知機能障害などの症状により家事ができなくなるということも多くあるかと思います.しかし,母親に病気があり父親が働いている場合,認知機能障害により母親が家事ができないとしても,父親がいることにより訪問ヘルパーの導入ができないと判断されることはとても多いです.しかし,父親は働いているため家事の全てを行うことは困難であり,そういった場合に目の前にいる子どもがやらざるを得ないといった状況が生じます.
子どもが家族のケアをすること自体が決して悪いことではないのですが,そのことが身体的・精神的負担となること,時間的制約が生じることで子どもに不利益が生じてしまいます.
ヤングケアラーのアンケート調査では,「時間がない」と感じることがとても多いです.家のことで忙しく時間がないことや家族を気にかけ続け心配事が続くことなどは,子どもが自分の時間を自由に使ったり,勉強をしたり遊ぶ時間をつくること,疲れが出たら休むことなどが難しくなることも多いです.
そして18歳以上のように大きくなっていくにつれて,担う責任や負担の大きさは増えていくことも多いです.
例えば小学校の時とか中学校の時,お母さんの病院に付き添ったとしても先生に何かを言われたりすることはなくそこにいるだけだったのですが,ある程度大人になって病院に付き添った時に,「お母さんの話をよく聞いてあげてね」みたいに言われることもありました.先生も,私や母のことを考えて言ってくださっているのだと思いますが,そういう時は「私がしっかりして母をみないといけないんだな」と気持ちを呑み込むような感覚になったのを覚えています.
若者世代は,本来だったら自立に向かっていく年齢にあたります.しかし,家族の責任や負担が増えるほどに自分の人生を生きることへの葛藤が生じてしまいます.
現状の福祉では,子供から若者になるにつれて自分で自分のことはある程度できる,家族の良き支援者だと思われ,家庭への支援が増えるというよりもむしろ減ってしまう状況があると思いますが,本当は若者が自立していけるように社負担を担わなくてもいいように支えていくこと,若者が自身で選択できる選択肢があることが望ましいことだと思います.
子ども若者のwell-beingを考えていくことが,日本全体で必要なことだと思っています.
ヤングケアラーの実態(本質的な要因)ヤングケアラーの問題は,決して家族の問題や子どもの課題ではありません.ヤングケアラーの状況になることの本質は,2つの要因が絡まり合いながら生じます.年齢や性別,障害や国籍などの社会的不平等や家族背景など,精神疾患の場合偏見の強さなども含めた関係性の要因と,家庭内に必要なケア量に対し必要な社会資源の情報や実際の介入が足りてない福祉制度的な要因が折り重なることでヤングケアラーは生じます.(Akkan, 2019)
ヤングケアラーが直面する不平等(こどもの権利の侵害)を理解し,支援するためには,ケアに関連する責任の分配や成長発達に応じたアイデンティティの形成過程を考慮した公正な枠組みが必要となります.
つまりは,子供だけを支えることや家族を支えるだけでなく,家族丸ごとを支えながらヤングケアラーという支援の狭間に陥る要因を理解し変革していくことも非常に重要なことになります.
ヤングケアラーの実態(調査の結果)国の調査では,中学2年生では17人に1人,高校2年生では24人に1人,お世話をしている子どもがいると答えていました.クラスの中で1人か2人くらい家族のケアをしている子どもがいるということはとても身近な存在であるかと思います.自分ごととしてみんなで考えていかないといけないことだと思います.
少年院や保護観察所の非行少年の中でも,ヤングケアラーの調査が行われました.その結果では3人に1人,36パーセントが家族のお世話をしていると答えたという調査結果が出ています(鈴木ら,2024).また,そのうち女の子の4人に1人が家族に精神疾患があるということも回答の中にありました.
2019年から始まったヤングケアラーの実態調査の中では,ヤングケアラーの全体の中で,家族の精神疾患のケアをしている割合は母親と父親の精神障害や依存症の割合を足すと,ヤングケアラーの中でも一番多い割合になっています.ヤングケアラーの中で,家族の精神疾患を支えている子どもの割合は,イギリスでも一番多いと言われています.
2021年の調査でも,精神疾患・依存症のヤングケアラーの割合が多く,特に通信制高校にいる子どもは6割となっています.
子どもを支えるという視点で見てみると,今までヤングケアラーは子ども福祉の分野では,要保護児童対策協議会という虐待や虐待リスクのある家庭,支援が必要な家庭を支える子ども福祉の分野で見つけられ支援を受けている子どももいました.それは,自治体の中にある児童相談所や子ども家庭センターなどという名称で子ども支援の部署が行なっています.要保護児童対策協議会の調査だと,子ども支援の部署でこれまで支援されてきたヤングケアラーの半分が「ネグレクト(虐待)」として認知されていて,80パーセントが虐待として子ども福祉の現場につながっていました.虐待は生じておらず,家族に支えや支援が必要だと言われる要支援児童にあたるヤングケアラーの割合は2割というところにとどまっていました(安倍,2019).
そして,虐待として認知されている子どもたちの中では,自らが発信して支援につながっているケースは全体の約1%のみであり,虐待ケースの多くが周囲の大人からの情報提供で繋がっています.そのことも踏まえると,これまでは多くのヤングケアラーは虐待の要素が出て,周囲の大人がそれを発見してから初めて子ども福祉の支援とつながるという状況が多いかなと思います.多くの子どもたちが支援とつながらず諦めてしまうのは,家族のことだから話しにくいといったことももちろんありますが,そもそも子どもを中心にした相談窓口がないということも大きい理由のひとつかと思います.
ヤングケアラーのその後の影響ヤングケアラーの多くは,子ども時代を何とか過ごしてきたとしても,成人後の心理・社会的影響が多いとも言われています.学業の不利,進学や選択の制限があったり,家庭以外の時間を確保できないことによって,同年代の友人関係孤立体験とか,ケア・社会生活の両立によるストレスに起因した精神的健康の悪化などのリスクを抱えやすいです.
イギリスの場合,週に32時間以上ケアをしているケアラーの場合の大学卒業率が著しく低いことも明らかになっています.
なので,子どもを中心とした予防的な支援の枠組みを構築していくことは必要不可欠かと思っています.
子どもの多様なサイン家族の状況が気がかりで学校の授業に集中できないでいるということはとても多いです.子どもは言葉の表出が大人より圧倒的に少ないですが,様々な行動や体調などで表出されます.例えば,怒りの表出だったり,学校での不適応だったり,身体的な頭痛や腹痛や筋肉痛,睡眠障害とか,感情的な問題で表現されることがあります.
周囲から見ると「困った子ども」と思われがちな子どもたちは,本当は「困っている子ども」だということです.そして,その表出がある場合には,明らかな注意サインだと理解した方がいいかと思います.
特にメンタルヘルスの場合は,偏見の影響からか特に子どもが親の病気についてを,誰かから説明を受ける機会が圧倒的に少ないです.家族に起きていることが分からず,自分がどう対応したらいいか分からない状況が続くことは大きなストレスとなり得ます.そのために,上記のような身体症状が生じている子どもも少なくありません.
また,ヤングケアラーは家庭内でケアをしている状況でも,「引きこもり」になるということも生じます.特に困難な状況の時に,意図的に孤立することもあることがわかっています.その理由は,否定的な感情を調整し,他人の判断から自分を守るために親や友人から意識的に距離を置くこと,親に多くのものを与えてきた場合,孤独な引きこもりは子どもにとっては休息時間にもなりえます(Villatte, Piché, & Benjamin, 2022)
ACE(Adverse Childhood Experience)小児期逆境体験の項目には,親の精神疾患という項目もあります.逆境体験という10項目のうち当てはまる個数が多いほど,大人になったときの身体的リスク・精神的リスクが高まるとされています.ACEが2つ以上で自己免疫疾患の確率が倍増し,4つ以上で心疾患やがんのリスクが2倍,うつ病は4倍になり,さらには寿命も短いという結果が出ています.ACEの特徴として,ひとつも当てはまらないが一般に6割と言われています.
私たちが仲間と共に運営している精神疾患の親を持つ子どもの会「こどもぴあ」の運営スタッフで28人でアンケートを取った時,ACEの数は平均が4個でした.
私たちは,子どもの頃に多くの逆境を乗り越えなくてはならず,さらには大人になってからも精神的・身体的な影響も明らかに大きいにも関わらず,日本の中で精神疾患の親の子どもを支える仕組みが全くないのが現状です.
健康的に豊かな暮らしをしていくためには,医療と福祉と教育,そして地域との連携が必要不可欠だと感じています.
一方で,ACEのような逆境体験がある中で,どのようなポジティブな経験があると子ども時代を生き抜いて,大人になったときに精神的に健康的に生きていくことができるのかも研究で明らかになっています.
PCE(Positive Childhood Experience)という研究では,以下の7つの項目が子ども時代を生きていくためのポジティな要素と言われています.
● 自分の感情にいついて家族と話し合える
● 困難なときに家族がそばで支えてくれる感覚
● 地域の行事や伝統行事に参加して楽しむ
● 高校時代,学校の集団の一員だと感じる
● 友達・仲間に支えられていると感じる
● 少なくとも2人の親以外の大人が自分のことを心配し考えてくれると感じる
これらの子ども時代のポジティブな経験は,困難を乗り越える力になり,家族だけでなく地域のコミュニティや周りの大人が関わることは,子どもの未来をつくっていくことに大きくつながります.
子どもを支えるために精神疾患を患う親を持つ子どものレジリエンス(=大きな困難にもかかわらず乗り越えていく力のこと)を促進するには,家族内で親の病気についての共通理解を深め,支援的な関係を築き,対処スキルを高めることが中心となります.
そして以下は,子どものレジリエンスを高める際に特に重要な3点になります.
1.精神疾患やその影響について十分な説明があること
2.信頼できる大人と話をする機会があること
3.一人ではないことを知る機会があること
家族,教員,医療専門家,地域のネットワークにいる大人の誰もが,精神疾患を持つ親を持つ子どもたちを支えることができます.
(子ども虐待に関する文献研究親の精神疾患と子どもの育ち:長沼葉月 2020年)
日々の出来事に対応するために具体的な対処スキルを持っておくというのはとても重要であるし,それを1人でつくるのではなくて,周りの知識がある大人が一緒に考えてくれるということが極めて重要となります.
ヤングケアラーを支えることは,子どもの未来を支えること.場合によっては,親や家族も合わせて支える必要があります.しかし,あくまで子ども中心の支援が前提です.相談していることを親に知られたくない場合,その願いに寄り添いながら本人を支援します.
また,子どもをケアから完全に引き離すことがゴールとも限りません.
1人1人の声を聞き,個別性の高い支援が必要です.
そしてこの課題自体は,決して新しいものではありません.
できるだけ早期に気付くことが,ヤングケアラー支援の始まりです.
また,子どもは気持ちを一人で抱え込みやすいです.
「大人を頼ってもいいんだ」「弱いところを見せてもいいんだ」と子どもに知ってもらうこと,そして,そんな姿勢を大人自身が子どもに見せていくことも大切です.
最後に,仲間やサポーターに感謝を込めて私がここで話をしたこと話をする声をもっていることは,これまで支えてきてくれた仲間やサポーターのおかげです.
こどもぴあのみんなの声が力になっています.
リカバリーカレッジの安心するメンバーが私の声を聞いてくれました.
トラウマセラピーを行ってくれたカウンセラーや医師もいました.
そしてダイアローグを学び家族関係を見つめたこと,心理療法を学んで対処スキルを得たことが大きいです.また,理解を示し対話を続けてくれた同僚や友人もいます.
そして全国で活動している方々,ここに立っていることはそれらの皆さんのおかげです.
心から感謝をしています.
★精神疾患の親をもつ子どもの会こどもぴあについて精神疾患のある親に育てられた子どもの立場の人と支援者で運営しているピアサポートグループです.東京・大阪・札幌・福岡・沖縄・岡山・高知に拠点があります.
親に病気がある子どもの立場は決して少なくはないのですが,親の病気を知る機会が少なく,どのように対応したらいいのか,誰に相談したらいいのか悩んでいる子どもたちがたくさんいます.そうした方々に「ひとりじゃないよ」ということを伝えるとともに,ともに向き合い,語り合うことを大事にしています.
★ヤングケアラー協会についてヤングケアラー協会は,ケアラーとその家族が良好な状態でいられるための包括的な支援をしています.
1 相談窓口,キャリアサポート,居場所づくりなどを行います.
2 地域システムや様々な社会資源と連携します.
3 ステークホルダーに対して啓蒙活動をします.
4 ルールメイキングのプロセスに関与し,リードしていきます.