東北計画行政研究
Online ISSN : 2759-6443
若者の投票率と主権者意識の向上に向けたセンキョ割の取り組みとその学習効果
多賀城センキョ割の事例を中心に
大友 優香喜藤 実和佐藤 加奈絵中沢 峻佐々木 秀之
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2023 年 8 巻 p. 39-44

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抄録
近年、投票率向上のための取り組みとして選挙割に関心が高まっている。本研究では、選挙割のうち、大学生が主体となって取り組みを展開している「センキョ割」に着目し、取り組みの変遷と運営体制に関する考察を行い、そのうえで、筆者らが宮城県多賀城市をフィールドに実施した多賀城センキョ割の事例をもとに、その学習効果に関しての検証を試みた。センキョ割の取り組みは、2012年に開始され、2022年度に実施された参議院議員選挙の事例では、協力店舗は47都道府県に広がっていることが確認された。また、協力店舗数には、各地における実施団体の有無が関係していることが推測された。次に、センキョ割の実施目的は、若者の投票率と主権者意識の向上であることから、探求学習やPBLの学習ステップと多賀城センキョ割の活動内容を重ね合わせることで学習効果の検討を試みた。その結果、センキョ割における活動内容は、学習のステップと符合することが推測され、むしろ学習効果を意識することで、活動がイベントや制作物の作成に留まらず、効果的なものとなる可能性が高いことを指摘した。
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© 2023 本論文著者
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