応用統計学
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日本人の身長の成長についてのある見方
正法地 孝雄佐々木 紘
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1986 年 15 巻 2 号 p. 81-98

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抄録
乳幼児から成人までの各個体の身長の成長過程の特徴づけを行った.各個体の身長の成長と平均身長の成長に対してGompertz型成長模型を用いた.個人の成長を対象にしている限り,測定値はどの点においても高々一個だけである.このために適当な正則条件を設けると未知母数の最尤推定量には一致性があり,しかも推定量は漸近的に多次元正規分布に従っている.ある区間での観測値当たりの母数に対する情報量の平均に当たるものを導入した.これを観測値当たりの平均情報量と呼ぶ.この平均情報量は成長過程の研究のための測定計画に役立つことが分かった.思春期発現時年齢は,成長過程の色々な特性値に非常に関係深いことが分かった.非線型成長曲線を比較するための一つの方法としては標準成長曲線の年齢にある種の変換を施し線型化した.各年齢での身長の分布,思春期の統計的発現時の年齢に対する成長曲線の特性値の分布なども求めた.
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