応用統計学
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Age-period-cohort modelに基づく日本の主要死因死亡の変遷の分析
昭和初期世代の特異性の検討を中心として
丹後 俊郎倉科 周介
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1987 年 16 巻 1 号 p. 23-42

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抄録

日本の1955-79年の25年間における主要死因別死亡の変遷について,統計モデル適用の立場から分析を行い,世代別死亡率の推移に比例ハザードを仮定して導かれる二種類の統計モデルを適用した.一つは従来よりAge-periodcohortモデルとして知られているモデルで,死亡時期の効果(時代効果)が年齢にかかわらず一定と仮定されたモデルであるのに対し他方は時代効果を青年期・中年期・老年期の3期で層別することにより時代×年齢の交互作用を考慮したモデルである.この結果,(1)後者の層別モデルが多くの死因で支持され,最近の死亡の変遷をある程度説明できる統計モデルと考えられた.(2)最近注目されている昭和初期世代はやはり特殊で,男子10死因,女子4死因に,これらの世代の死亡率が前後の世代に比べて特異的に増加していることが検出された.

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