応用統計学
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ベキ正規分布に基づく生存時間データの回帰分析
松原 義弘後藤 昌司
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1980 年 9 巻 1 号 p. 43-51

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抄録

本論文では生存時間研究における回帰の方法として,生存時間と対象の付随特性を結びつける2つの回帰モデルを論じる.そのような状況での特徴ともいえる難点は観測される生存時間データに所謂中途打ち切り観測値が生じ,そのうえ生存時間が非負のためにその分布に独特の歪みが生じることである.
従来,このような問題のモデルにはセンサード回帰や比例ハザード回帰モデルが考えられてきている.この種のモデルでは通常パラメトリックな生存時間分布が仮定され,パラメータの推定値は最尤法で求められるが,実践の場では適合度検定によってその基礎分布の選定が必要である.
ここでは生存時問の分布形が未知である場合に,分布を適応的に規定できるベキ正規分布上での回帰モデルのあてはめを提示し,胃癌患者の治験データにこの方法を適用することでその有用性を示す.

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