質的心理学研究
Online ISSN : 2435-7065
アルゼンチンにおける日系人の頼母子講
一般交換による経済的適応戦略
辻本 昌弘
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2006 年 5 巻 1 号 p. 165-179

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抄録
移民がつくる互助集団に頼母子講がある。頼母子講とは資源の一般交換であり,世界各地から多様な報告がある。本研究では,頼母子講を活発に行ってきたアルゼンチンの日系人の歴史を跡づけ,さらにフィールドワークで収集した 5 事例の比較を行った。以上を踏まえて,頼母子講を組織するには参加者の面識関係が要件となることを指摘し,そのような面識関係がいかに確保されているのか分析した。また日系コミュニティの歴史的変動に対応した頼母子講のさまざまな効果を検討し,今後の研究の方向性を提案した。
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© 2006 日本質的心理学会
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