第四紀研究
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論説
鹿島沖海底コアMD01-2421の後期更新世テフラ層序
青木 かおり入野 智久大場 忠道
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2008 年 47 巻 6 号 p. 391-407

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抄録

本研究は,鹿島沖から採取された長さ約46 mのMD01-2421コアに介在する23枚のテフラについて,岩石学的記載と火山ガラスの主元素組成分析を行い,既知のテフラとの対比を試みたものである.その結果,九州起源のATとAso-4,御岳山を給源とし中部~東北地方に広く分布するOn-Pm1,北関東に分布するAg-KP,南関東に分布するHk-TP,立山カルデラ起源のTt-D,福島県南部と茨城県北部で対比されているNm-Tgが同定された.また,本コアで得られている高分解能の底生有孔虫の酸素同位体層序を使用して,各テフラの噴出年代を算出し,SPECMAP年代に伴う誤差も合わせて示した.対比された7枚のテフラの噴出年代を,報告されている放射年代や花粉分析や海水準変動史から予想されていた噴出年代と比較して議論した.これらはMIS 6.3以降の中部から東北地方南部の標準となるテフラ層序を提供するものである.

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© 2008 日本第四紀学会
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