後期更新世の御嶽火山系テフラと広域テフラ(下位より順に,御岳第一テフラ(96 ka),御岳潟町テフラ,鬼界葛原テフラ(95 ka),御岳伊那テフラ(93 ka),姶良Tnテフラ(30 ka))が櫛形山周辺に分布する第四系中から発見された.御岳第一テフラの下位からは,亜寒帯性のマツ科針葉樹の花粉を多産する泥炭層が2枚見出され,MIS 5dかMIS 6に堆積したものと推定された.櫛形山周辺で見出された後期更新世のテフラは,甲府盆地やその周辺の御坂山地や丹沢山地から今後発見される可能性が高く,この地域の地形発達史を組み立てるのに有用である.