第四紀研究
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OSL年代測定法によって推定された北海道北部,利尻島における化石凍結割れ目と火山麓扇状地の形成年代
近藤 玲介塚本 すみ子坂本 竜彦
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2014 年 53 巻 2 号 p. 95-101

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抄録

本研究では,利尻島の古期火山麓扇状地を構成する砂礫層とレス堆積物を対象として OSL 年代測定を適用し,利尻島北部の火山麓扇状地と化石凍結割れ目の編年を行った.その結果,古期火山麓扇状地は下位の溶岩流下後の比較的早い時期(約30~27ka)に急速に堆積したこと,その後化石凍結割れ目が最終氷期極相期頃,遅くとも約 17ka までに形成したことが明らかとなった.この化石凍結割れ目は永久凍土ウェッジを起源とする可能性がある.利尻島においては,火山活動とその後の火山麓扇状地の発達による緩傾斜な砂礫地の形成が,化石凍結割れ目の形成に間接的に寄与したと考えられる.

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© 2014 日本第四紀学会
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