論文ID: 63.2214
日本各地で黒ボク土などの累積性土壌中の植物珪酸体と微粒炭を用いた,火入れの歴史とそれに伴う長期的な植生変遷についての研究が進められている.本論文では,植物珪酸体と微粒炭分析を用いて過去の火入れとそれに伴う植生変遷が明らかにされた研究例として,奈良県曽爾高原,兵庫県砥峰高原,神鍋高原における研究事例を紹介する.さらに,これらの地域の植物珪酸体タイプの出現率と微粒炭量を目的変数として主成分分析を行い,火入れの各珪酸体タイプへの影響,すなわち各植物分類群への影響を明らかにした.