2023 年 30 巻 1 号 p. 18-30
[目的]介護老人福祉施設(以下,特養)における食事支援の内容と介護者の認識を明らかにし,職種による違いを検証する.[方法]全国の無作為抽出した特養(400施設)の介護職員242人,看護職員77人,リハビリ職員12人(理学・作業療法士,言語聴覚士)を対象に食事支援の内容とその認識に関する郵送による質問紙調査を行った(有効回答率5.5%).分析は,Pearsonのχ2検定,Mann–Whitney U検定を用いた.[結果・結論]全職種ともに同様の傾向であり,「高齢者に食事を楽しんでもらえたか」の認識は低く,「食事を安全に提供できたか」の認識は高かった.安全認識できているものが有意であった食事支援には,「座位姿勢の調整」「視野を確認する」「メニュー内容を伝える」「食べ物の香りがわかるように配慮する」「食べ物の形態・味付けについて医師,栄養士等に相談する」があり,これらのケアを重視していくことが要介護高齢者の食事の安全に繋がることが示唆された.