2025 年 32 巻 2 号 p. 127-136
[目的]心拍数を指標とし,ウェアラブルデバイスを用いて介護職の感情労働の可視化を試みる.[方法]研究用Apple WatchおよびiPhone端末を用いて,介護従事者の心拍数を測定した.また,質問紙調査により彼らの感情労働に対する主観的認識を調べた.[結果]レクリエーション,電話対応,終礼,排泄介助,およびおやつ提供といった場面において,心拍数データが測定され,感情労働の発生が報告された.心拍数は利用者と接しない場面よりも,感情労働場面を含むあらゆる利用者と接する場面における方が高かった.感情体験の種類にかかわらず,心拍数は感情労働に伴い上昇した.[結論]心拍数指標を用いて一部の介護場面における感情労働を可視化する可能性が示された.心拍数測定は介護従事者のメンタルヘルスケアの一手段として活用できることが考えられた.