抄録
日本の建築生産においては,品質管理能力・調整能力の高い設計者・施工者の存在を前提に,発注者・設計者・施工者の3者関係において,相互信頼に基づいた完結したマネジメント体制が組まれてきた。 しかしながら,建設工事においてより透明性が求められるようになると,独立した職能としてのCMrが必要とされるようになって来ている。CMrの役割は,建設工事のコスト・スケジュール・デザイン・調達・施工及び安全・品質の6つのマネジメントを発注者の側に立って行うことである。この論文では,それらのマネジメントの実際やマネジメント実施上の留意点,日本のコンストラクション・マネジメントが抱えている課題について論じる。