JARI Research Journal
Online ISSN : 2759-4602
解説
自動車排出ガス計測における走行モード
-ガソリン・LPG乗用車を例として-
森川 多津子
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2019 年 2019 巻 5 号 論文ID: JRJ20190502

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抄録
 わが国に自動車が急速に普及しはじめた1960年代は,自動車排出ガスに起因する大気汚染への対策も急務であった時代である.自動車排出ガスの規制は1966年に開始され,1968年の大気汚染防止法の施行により,国土交通省の道路運送車両の保安基準(以下,保安基準)に基づいて規制されるようになった.それ以来,自動車排出ガス規制は,わが国の都市大気環境の改善に欠かせない役割を果たしてきたと言える.  自動車排出ガス規制では,走行距離当たりの大気汚染物質の排出量が規定されているが,自動車から排出される大気汚染物質の排出量は自動車の走り方,走行のパターン(走行モード)で大きく変わる.そのため自動車排出ガスを計測する際の走行モードは規制値同様,厳密に定義しておく必要がある.本稿ではガソリン・LPGを燃料とする乗用車に焦点を絞り,自動車排出ガスの規制値と規制値を測定する走行モードである試験モードの推移,実環境における自動車排出ガス量を求める走行モードである実走行モード,今後の自動車排出ガス量の推計のための新たな計測手法の活用について解説する.
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© 2019 一般財団法人日本自動車研究所
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