本研究の目的は,条件付き自動運転車のドライバーに高速道路上の渋滞をどのように知らせるかという疑問に答えることである.我々は,被験者内で4つのシステムデザインを比較するために,40人の参加者を用いてドライビングシミュレータ実験を行った.ベースライン条件として,システムはドライバーに知らせずに渋滞の後方をゆっくり走り続ける.2番目のシステムは,渋滞を手動で追い越した方が良いことをドライバーに知らせるように設計された.第3のシステムは,ボタンを押すことによって,システムが自動的に渋滞を追い越すことをドライバーに要求するものである.一方,第4のシステムは,6秒後に自律的な追い越しが開始されることをドライバーに知らせ,ドライバーはボタンを押すことでそのプロセスを取り消すことができる.その結果,ドライバーは3番目と4番目のデザインよりも1番目と2番目のデザインを好んだ.自動追い越しに関しては,ドライバーは第3のシステムを第4のシステムよりも信頼していた.セーフティ・クリティカルな条件がなかったため,追い越しステアリングの挙動は,人間のドライバーとシステムとの間の大きな違いを反映していない.これらの観察結果は,人間中心の自動化というコンセプトに従って設計された自動運転システムは,ユーザーにより受け入れられることを示している.
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