JARI Research Journal
Online ISSN : 2759-4602
技術資料
JNCAPブレーキ性能試験から見た制動性能の進化
鮏川 佳弘小林 隆加賀美 公彦中山 和彦
著者情報
研究報告書・技術報告書 フリー

2020 年 2020 巻 7 号 論文ID: JRJ20200701

詳細
抄録
自動車アセスメント(JNCAP Japan New Car Assessment Program)は,独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)が実施している実車衝突試験等に基づく車種別の安全性能評価である.この取り組みは1995年度から開始され,市販車の安全性能評価を行った結果を公表することで,自動車ユーザが安全な自動車を選択し易くできる環境をつくり,安全な車の普及を図ることを目的としている.  JNCAPの評価試験項目は年々増えているが,開始当初から行われている評価試験のひとつに,ブレーキ性能試験がある.同試験では,乾燥した路面と濡れた路面のそれぞれにおいて,前席に 2 名が乗車した状態で走行している試験車を速度 100km/h から急ブレーキを踏んで停止させ,そのときの停止距離と停止姿勢について評価を行っている. 弊所では,JNCAP 開始から試験実施機関として深く関わり,これまでにABS(アンチロック・ブレーキ・システム)を装備した330車種のブレーキ性能試験を行ってきた.なお,ブレーキ試験は,2015年度で評価を終了している.  本報告では,これまでのブレーキ性能試験の結果をもとに,車種の停止距離の年次推移を調査するとともに,タイヤと路面間の摩擦係数(μ)の変化について報告する.
著者関連情報
© 2020 一般財団法人日本自動車研究所
feedback
Top