2024 年 2024 巻 12 号 論文ID: JRJ20241203
自動運転システムの実用化に向け,社会が受容するに値する安全性をいかに確保するかがシステム製作者に対して問われている.その問いに答えるべく,一般社団法人日本自動車工業会(JAMA)では日本の自動車産業界のベストプラクティスをフレームワークとして文書にまとめて公開している.2022年に最新版であるVer.3が公開され,その内容はシナリオベースの安全性評価の国際標準や国際基準の策定に積極的にインプットされている.国際的な議論を継続してリードすることの意義は非常に大きいため,本稿では将来的なVer.4更新に向けた課題を特定するため,現状の内容が安全論証構造として必要十分なものであるかを分析した結果について述べる.