日本テスト学会誌
Online ISSN : 2433-7447
Print ISSN : 1880-9618
論文
学校教育におけるパフォーマンス評価の認知的枠組み
佐々木 典彰村木 英治
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2005 年 1 巻 1 号 p. 93-102

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抄録

本論では、学校教育においてパフォーマンス評価が行われるとき、評価者がどのような認知的枠組みをもち、評価を行っているかについて調査した。認知的枠組みとは、パフォーマンスに対して評価者がもっている評価視点である。139名(教員68名、大学生71名)を対象とし、学校教育におけるワーキングスタイルと呼ばれるパフォーマンスの項目を用いた。被調査者は18項目のパフォーマンスに対して、どの程度能力として認識するかについて回答した。そして、因子分析を行い、得られた各因子を認知的枠組みの構成要素とみなした。その結果、3因子が抽出され、それぞれ「遂行性」、「活発性」、及び「主張性」と命名された。さらに、各因子における教員と大学生の尺度得点を比較した。その結果、「遂行性」では教員よりも大学生の方が高い傾向がみられ、「活発性」では大学生よりも教員の方が高く、「主張性」では有意な差はなかった。

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© 2005 日本テスト学会
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