本研究では,英語リスニング・テスト実施時に低音量騒音が発生した事態を模したモニター試験を実施した.騒音源としては環境騒音と日本語による話し声の2種類を設定し,試験問題音声に対して-12dB(A), -6dB(A)の音量レベルで付加した.大学1年生569名が受験した結果,日本語騒音が付加された条件で試験成績の低下が見られた.また,騒音に対する心理的な抵抗感も日本語騒音で高かった.さらに騒音によって生じた試験成績への影響の除去を目的として,項目反応理論を利用した得点の調整を試みた.無騒音条件の問題項目を共通のアンカー項目とみなして能力推定値(θ)を算出したところ,良好な補正結果が得られた.