2019 年 15 巻 1 号 p. 99-119
高大接続改革の名の下に2021 年度大学入試に大きな制度改革が計画されている.特に影響が大きな変更点として,英語認定試験の活用,共通試験における記述式問題の採用が挙げられる.派生的に特定の大学に影響が及ぶ変更もある.東北大学では,記述式問題が共通試験に導入されるために共通試験の成績提供が遅れることから,AO入試Ⅲ期の見直しを迫られている.そこで,本研究では東北大学に志願者・合格者を多く輩出する高校を対象に「AO入試Ⅲ期の第1 次選考に共通テストの自己採点を利用する方式(自己採点利用方式)」「新共通テスト記述式問題への活用」等に関する質問紙調査を行った.その結果,自己採点利用方式への容認は6 割程度あった一方,記述式活用には厳しい意見が寄せられた.本調査の結果を一つの参考資料として,東北大学では 2021 年度入試に関する予告が行われた.