2025 年 21 巻 1 号 p. 1-15
テストにおける不正行為は,倫理的な問題であるだけでなく,テストの妥当性にも悪影響を及ぼす。本研究では,入社試験をWebテストで受検したことがある20~30代有職者に対して調査を実施し,入社試験における不正行為経験について直接法やアイテムカウント法を用いて尋ねた。この調査により,本研究においては不正行為の経験がある者の割合は1.9%から5.1%であった。この割合は決して少ないとはいえず,Webテストが受検者の能力を適切に測定できるツールとしてさらに広まっていくためには,その不正行為の予防や検出の方法について更なる改善を進めることが必要といえる。