本研究では,大学入試の総合型選抜における面接評定への非言語情報と心理要因の影響を明らかにすることを目的とし,私立大学経営学部1年生22名を対象に模擬面接を実施した。面接評定,非言語情報(顔表情),心理要因(パーソナリティ特性,学校生活スキル)および期末成績を統合的にモデル分析した結果,以下の知見が得られた。1つ目は,面接評定に学校生活スキルは関連せず,一部の顔表情が直接的に,パーソナリティ特性の一部が間接的に関連することである。2つ目は,期末成績は面接評定と関連がなく,学校生活スキルが直接関連することである。3つ目は,面接評定と期末成績は共通するパーソナリティ特性を介して間接的に関連することである。本研究では,これらの結果を基にして,大学入試における非言語情報と心理要因の面接評定への影響を議論する。