2008 年 4 巻 1 号 p. 65-72
スポーツやもの作りなどに関する受験者のスキルを評価するには実際に課題を実演してもらう実技試験が有効だが、実技試験のCBT化はあまり進んでいない。本論文では、ゴルフのパタースイングを例に、動作データから受験者のスキルを自動的に評価する方法を議論する。筆者らは、以前、動作データから主要な姿勢を抽出してスキルを評価する方法を検討したが、その方法では受験者の動作のタイミングや途中経過が考慮されていない。これらを考慮して評価を行うには、動作データを時系列として扱うことが必要と考える。動作時系列データから直接評価を行う手法としてリカレントニューラルネットワーク(RNN)を用いることを提案する。RNNの学習の高速化に準Newton法を用い、構造の決定にMinimum Description Length規準を用いた。実際に受験者のデータを用いてスキルの評価を行い、本手法の有効性を確認した。