抄録
1 障害のある人の権利条約(以下、単に「権利条約」という)
(1)権利条約の内容と目標
社会モデルを柱とする障害ないし障害のある人のとらえ方、合理的配慮を中心とする差別の排除、地域生活等における自己決定権、インクルーシブ社会の実現とインクルーシブ教育の原則、徹底した当事者によるモニタリングなど。
(2)権利条約が各国に求めているもの
障害のある人の自主性ないし主体性の確保、平等社会を作り出すプロセスの重要性、社会の意識変革を作り出すための誘導的原理、他の人権条約との一体性など。
2 視覚障害教育及びリハビリテーション
(1)視覚障害のとらえ方
情報障害としての視覚障害、移動障害としての視覚障害、視覚障害による発達の阻害、視覚障害と想像性の関係、認知力ないし意識と視覚障害、本質としてのコミュニケーション障害。
(2)視覚障害と教育論
統合教育ないしインクルーシブ教育の重要性、専門教育としての特別支援教育の役割ないし位置づけ、日本における伝統と今後の発展方向。
(3)視覚障害リハビリテーションの専門性と役割
視覚障害の特性とリハビリテーション、発達保障及び社会参加の保障としての視覚障害リハビリテーションの役割、視覚障害リハビリテーションの専門性維持の重要性
(4)当事者団体と視覚障害リハビリテーション専門家集団
当事者団体とりわけ日盲連の役割、当事者団体と視覚障害リハ専門集団の連携・役割分担、これから問われる医療機関・教育関係者・リハ専門家集団・福祉関係者そして当事者団体の関係性。
3 重度視覚障害者同行援護事業
(1)これまでの移動支援事業との相違点
(2)同行援護事業の特徴と課題
(3)視覚障害リハビリテーションと同行援護の関係
歩行訓練との関係、ロービジョンへの支援と同行援護、視覚障害者のリハビリテーションと同行援護、ガイドヘルパーに求められる資質との関係
4 私の障害者運動と夢
(1)中途視覚障害と私の人生・世界観
(2)弁護士としての私
(3)障害者運動における私の役割
(4)60歳を迎えた私の夢