主催: 視覚障害リハビリテーション協会
1994年、ある一人の患者さんとの出会いからロービジョンケアを知り、学んできました。 この中で、医療関係は無論のこと、 教育や福祉関係など多くの方々とのすばらしい出会いがありました。特に、視覚障害児・者や家族の皆さんが私の先生だと感じています。
ロービジョンケアを私は、視覚障害者が保有能力(視覚)を最大限に活用してQOLの向上を目指すケアと定義しています。
眼科を訪れる人は何らかの視覚的問題をもち、これらを解決するのが眼科医療の使命で、近年の眼科治療、とくに手術療法の発達は目覚ましく、失明する患者は減少しています。 しかし、今なお視機能が回復できない患者さんが多いのも事実です。このため患者である視覚障害児・者に対し支援が必要であることは医療者なら誰でも認めていますが、ロービジョンケアを行う眼科医療機関はまだ少ないのが現実です。また、ロービジョンケアは眼科医療だけでは完結できず、教育や福祉関係など多くの皆さんとの連携が欠かせないことは今更言及するまでもありません。
本講演では私が経験してきた眼科医療での実践をお話したいと思います。