視覚障害リハビリテーション研究発表大会プログラム・抄録集
第21回視覚障害リハビリテーション研究発表大会
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ポスター発表
石突の違いが杖による歩きやすさに及ぼす影響について
―7種類の石突による比較―
*相馬 睦植阪 友理小林 章
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p. 101

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抄録
【はじめに】
 石突は使用者の歩き方や歩行環境によって選択されるが、選択の仕方にはっきりとした決まりはない。本研究では石突の違いが白杖歩行へ及ぼす影響を考察。様々な石突の中から、より快適かつ効率的な歩行が期待できる石突を検討し、使用する石突での実際のパフォーマンスや感じ方を調査した。

【方法】
 被験者は一年間の白杖歩行訓練を受けた学生11名。アスファルトの直線コースを使用し、7種類の石突(ノーマルチップ・マシュマロチップ・パームチップ・ローラーチップ・ジャンボローラーチップ・ローリングボールチップ・ボールチップ)にて「引っ掛かりの数」「PPWS(Percentage of Preferred Walking Speed)」を計測。内省を実験の前後に聴取した。

【結果と考察】
 実験におけるパフォーマンスが高かったのはマシュマロ・パーム・ボールだが、内省で高い評価を得たのはノーマル・マシュマロ・パームであった。実験で使用したどの石突も見かけのパフォーマンスは悪くなかったが、それが使用者の感じる使いやすさと必ずしも一致しないことが実験中のやり取りや内省からうかがえた。内省での全体的な評価は石突の重さで分かれたが、実験の前後で評価を変化させた原因は重さばかりでなく、引っ掛かりの関与が推察された。歩行安定の様子は従来からの指標である「引っ掛かり」や「PPWS」だけでは上手く示せなかった。
 初めての石突や重い石突の使い初めに見られる「振り幅」や「歩行リズム」の乱れが収束していく様子を何らかの形で白杖歩行安定の指標とすることが有効であると思われる。実験前は「訓練導入時に使いたい石突」として多くの被験者がノーマルを選んだが、実験後は選択に多様さがみられた。実際の使用で石突に対する印象は変化する。石突の選択について、訓練士の観察や使用者本人の感覚だけに左右されずにどう客観的評価を行うかは今後の課題である。
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© 2012 視覚障害リハビリテーション協会
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