2011 年 53 巻 4 号 p. 272-277
日本のRI製造は,昭和32年に原子力利用の柱の1つとして日本原子力研究所(現,日本原子力研究開発機構)でRI製造研究室の設置とともに始まった。まもなく建設されたRI試験製造工場では,昭和35年にJRR-1を利用したRIの試験製品の頒布サービスを始め,37年にはJRR-2の利用を主体とした本格的なRIの出荷が始まった。本稿では,このRI製造を実施した建屋の建設,研究開発について述べるとともに,その建屋で行われた大きな成果と自負する,高レベル放射性廃棄物中の元素の群分離の研究,核融合炉燃料のトリチウムの製造研究,RI製品の高品質を維持する検定技術の開発について述べる。また,最近始められたRI・放射線技術者の養成についてもその優れた成果を紹介する。