抄録
【はじめに】
社会福祉法人愛光(以下、愛光)は、平成7年より千葉県内にて訪問型の視覚障害者自立生活支援事業(以下、本事業)を実施している。昨年(H23)には制度化から15周年を迎え記念フォーラムを開催し、本事業の重要性を再認識する機会となった。そこで、本稿は本事業の発起から現在に至るまでの支援内容及び利用者の状況を外観した上で実績を報告し、推移と本事業における課題を考察する。
【事業の経緯】
愛光では平成1年から巡回相談として訪問型の訓練を開始した。それまでの千葉県内の視覚障害者は県外のリハビリテーション施設に入所し訓練を受けなければならなかった。在宅環境と異なる場所で訓練を受けざるを得ないため、訓練を断念せざるを得なかったり、訓練終了後も必ずしも自立した生活にならないケースもあった。平成7年「千葉県障害者施策新長期計画」が10年計画でスタートした。このうち福祉の重点課題の一つとして「在宅福祉サービスの充実、施設整備の促進及び施設機能の強化等を推進するとともに、福祉人材の確保充実を図る」ことが盛り込まれた。当時、県内の視覚障害当事者が訓練の必要性を強く行政に働きかけ、平成7年度より制度化の運びとなった。愛光では千葉県の事業の一部を担うようになり、施設内にサービスを提供する相談援助室を設け、専門職員を1名配置した。現在は相談援助室の名称を生活支援課と改名し、専門職員7名が訓練を行っている。制度化15周年フォーラムは利用者の減少を危惧し本事業の周知を図ることを目的に開催した。
【今後の課題】
本事業に求められる支援内容は社会資源の有無や制度、社会背景の変化に伴い制度化開始時に比べ大きく変わった。また当事者を取り巻く環境の変化や高齢化などのニーズも変わってきた。変遷に伴い、医療機関や他の福祉機関とのチームアプローチ、家族支援プログラム等新たなる支援の形を提供する時期に来たと考えられる。本事業を軸に幅広い支援をできる体制づくりが重要である。