抄録
【問題の所在と目的】
視覚障害児・者やその家族、あるいは、視覚障害児・者に関わる仕事に従事されている方が、日常生活等で困難を感じた際、相談する機関が非常に限られているため、多くの場合、問題を抱えたまま、解決できずにいることがある。また、相談をしても必ずしも問題解決がなされないこともある(奈良,2011)。あるいは、専門機関に相談するほどではないが、知りたいこと、困っていることを有する場合も少なくない。そこで、視覚障がい者ライフサポート機構では、専門的な相談以外の日常的な工夫等を視覚障害児・者やその家族、そして、視覚障害児・者に関わる仕事に従事される方々に向けた情報発信等を目的に活動を行っている。本研究では、本団体が行なっている情報発信事業について分析を試み、情報発信の傾向、及び、今後の課題を検討することを目的とする。
【方法】
対 象 2010年7月から2012年2月までに執筆された記事275件とした。
手続き 本団体のスタッフ6名でKJ法による分類を行なった。
【結果と考察】
275件の記事を分類した結果、6カテゴリが生成された。カテゴリの内訳としては、小学校から大学、盲学校や弱視学級といった学齢段階に応じた学校生活や学習に関するカテゴリ、就職や職場に関するカテゴリ、携帯電話やパソコン、スマートフォンに関するカテゴリ、ルーペや単眼鏡等の補助具や便利グッズ等のカテゴリ、おしゃれやコミュニケーション、援助依頼や障害の伝え方等の生活・コミュニケーションに関するカテゴリ、スポーツや旅行等趣味や余暇に関するカテゴリであった。このうち、学校や学習に関するカテゴリが43.7%と最も多く、次いで、生活やコミュニケーションに関するカテゴリが20.1%を占めていた。これは、本団体のスタッフに学生が多いことや寄せられる相談も学校生活や学習に関するものが多いためと推察される。一方、就職や職場に関するカテゴリは4.2%、携帯電話やパソコンに関するカテゴリは6.0%と少なかったため、今後、情報発信を積極的に行う必要があると考えられる。
引用・参考文献
奈良里紗1,中途弱視高校生の相談経験から生まれた私の夢,障害学研究,p7,2011.
視覚障がい者ライフサポート機構 www.viwa.jp