抄録
【はじめに】
Apple社のiPadやAmazon社のkindleは電子書籍一般の普及に大きな影響を与えたのみならず、ロービジョン読書に画期的な改善をもたらす可能性が高い。その場合、電子書籍やリーダーのソフトウェアのデザインによって、ロービジョンの読者への恩恵は大きく左右される。ロービジョンの読者のニーズを満たすデザインについて全体像を理解するためにインタビュー調査を行った。
【方法】
都内在住のロービジョンの調査協力者14名、東京女子大学の視覚正常な調査協力の学生14名に、半構造化インタビューを行った。インタビューに先立ち調査の主旨と内容の説明を行って全員から同意を得た。インタビューでは、電子書籍リーダーを操作しながら読書をするときの要素操作―例えばページめくりや文字種の変更―を7つ取り上げ、その操作の仕方の複数のアプリケーションで協力者にデモして操作させた後に、使いやすさ等をリッカート尺度を用い、改善意見等を自由回答してもらい聴取した。電子書籍リーダーのハードウェアとしてはiPadを、アプリケーションとしては、iBooks、i文庫HD、もしもし下北沢、Stanza、Livedoor News Readerを用いた。インタビューは協力者1名とインタビュワー2名で、比較的静穏な環境で行い、内容はすべてICレコーダで記録して、文字起こしを行った後数値化して比較した。
【結果と考察】
インタビューしたロービジョンの協力者たちが良いと評価したデザイン要素は、実際の書籍に似たページめくり操作、ピンチアウトによる文字の拡大、文字拡大をしてもページ内に収まるレイアウト調整、大きな機能調整用メニューなどであった。