抄録
アップタウン瑞穂株式会社(以下、当事業所)は、特定の障害に特化せず、様々な障害をお持ちの方を受け入れる就労継続支援A型事業所である。当事業所の主たる利用者は知的・精神の障害をお持ちの方である。このたび、就労移行支援事業所から当事業所へ、高機能自閉症を併せ持つロービジョンの方(以下、当該利用者)が利用を開始された。筆者は、かつて白杖歩行訓練に携わっていたことがあるが、他のスタッフ(以下、指導員)は視覚障害専門職ではなかった。その中での支援等を支援の途中であるが、報告したい。まず見え方を理解するために筆者及び、グループ事業所指導員で当事業所指導員に対し、当該利用者の見え方の概略を説明した。その結果、事業所内で当該利用者が可能な作業、難しい作業の選択を指導員が行えるようになった。高機能自閉症については、指導員間で情報交換を行うことを繰り返し共通理解を行った。移行事業所からの定期的なフォローアップも受けている。他者との関わりでは、当事業所を利用されている利用者全体で自らの障害を話す機会を持ち、相互理解の一助とした。一方で視覚的な手がかりが乏しいため、当事業所で行う作業の中では当該利用者に不向きな作業も幾つかあり、その際には指導員中心で可能な作業を見つけるようにしている。その場合、他の利用者と違う作業内容になることもある。当事業所では、主として水道メーターの分解・分類作業を行っている。その中で、コントラストのはっきりした部品の分類を当該利用者に行ってもらっている。これは作業環境を調整することで視覚を補助的に使え、多少こだわり傾向のある当該利用者にも行える作業である。また、最近は漁網の解きほぐし作業も行っている。こちらは手指を主に使う作業であるが、他の利用者と全く同じ作業が可能なため、当該利用者の自信になっている様子である。