視覚障害リハビリテーション研究発表大会プログラム・抄録集
第21回視覚障害リハビリテーション研究発表大会
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基調講演
高齢者のリハビリテーション
Rehabilitation for the Older Persons
*江藤 文夫
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p. 31

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抄録
 高齢者という障害種別の存在はあいまいである。老化は個体にとって有害事象であり、機能形態障害や能力低下や社会的不利を伴う頻度は増大する。EU統計局(ユーロスタット)の2001年のデータによると、生後から4歳までに障害をもつものはその年齢層人口の約4%で、50~54歳の年齢層では20%が障害をもち、75~79歳の年齢層では50%が障害をもつ。すなわち加齢とともに障害をもつ人口比率は増大する。かつて高齢は負のイメージでとらえられ、虐待や差別の対象とされやすく、財政不安をあおるためにも利用されるので、高齢者そのものがリハビリテーションの対象でもあるが、厳密には高齢者のリハビリテーションとは障害をもつ高齢者のリハビリテーションであろう。
 英国老年医学会の標語として“adding life to years”が知られている。20世紀の医療技術の展開により、人の平均寿命は著明に延長した。生命科学が脚光を浴びる現代、救命はされたが病院や施設に依存する人々の数が増大し、保健医療の標的であるライフ(life)は生命だけでなく生活の意味へ拡大してきた。個人の活動を尊重し、社会参加を制約する要因および直接的に活動を妨げる要因として疾病をみる立場が生まれている。
 医学的リハビリテーションは病者を生活者としての人に転換させることを目的として、さまざまな職種を動員する。活動性を高めるためには身体機能の回復が第一に期待され、さまざまな機能訓練が施行される。QOL(quality of life)の向上と活動的余命(active life expectancy)を延長させる介入である。
 早くから老年医学の展開した英国において、30年以上昔にバーミンガム大学のバーナード・アイザックス教授は回診時や講義でユニークな言葉を発した。そのひとつ、視覚障害については、“In the land of the blind the one-eyed man is king. But in the land of the seeing the one-eyed man may not get his low vision and or mobility training.”と述べている。本講演では当時の彼の講義などを想起しながら、高齢者のリハビリテーションについて考えてみたい。
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© 2012 視覚障害リハビリテーション協会
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