視覚障害リハビリテーション研究発表大会プログラム・抄録集
第21回視覚障害リハビリテーション研究発表大会
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教育基礎セミナー
光学のキホン
*山中 幸宏
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p. 40

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抄録

 “光学は難しい”を“すっきり”させたい!というのが、今回のテーマです。
 ロービジョン・ケアの臨床を行う上で必要な光学の知識やエイドの倍率表示方法などを、直感的に理解していただけるようなお話をさせていただきたいと思います。
 まず基本は「1倍って何か?」です。2倍の拡大鏡、3倍の単眼鏡…。「2倍、3倍、4倍…」何倍がある以上、必ず「1倍」が存在します。この「1倍の意味」を理解すると、結構すっきりします。難しくなっていく理由は、1倍の定義は変わるためで、しっかりとその都度「1倍」の定義を理解できるようになると、臨床上における必要な光学の“糸”はもつれないで済みます。
 倍率の次は収差(歪み)のお話しに触れたいと思います。
 「非球面レンズ採用で歪みが少なくはっきり見えるルーペです」というカタログなどを見かけることがありますが、これは事実と異なります。当日実際に皆さんの目で確かめて頂く予定ですが、非球面レンズの拡大鏡でも、使い方によってはもの凄く歪んで見えます。逆に非球面だからこそ歪みが大きくなって実際に使える視野が狭い…ということもあります。但し、これは製品が悪いのではなく「望ましい使い方をしていない」ことに起因します。
 倍率の話から「たかがルーペ、されどルーペ」という部分まで、「ああ、そうなの…」と思っていただけるようなロービジョン・ケアにおける光学のキホンのお話しをさせて頂く予定です。

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© 2012 視覚障害リハビリテーション協会
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