視覚障害リハビリテーション研究発表大会プログラム・抄録集
第21回視覚障害リハビリテーション研究発表大会
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シンポジウム
高齢期の空白
地域リハの視点から
*稲垣 直子
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p. 51

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抄録

はじめに
 当法人では平成7年より、視覚障害者の方への訪問による歩行訓練、日常生活訓練、点字・音声パソコン等のコミュニケーション訓練などの自立支援事業を行っている。近年増加してきた視覚障害高齢者のニーズと課題、支援の現状などについて整理していきたい。

1.高齢者にとってのニーズと課題
 大きく分けると以下のような傾向が見られる。
(1)自立を求めて訓練を受けたい:中年期以前に障害になった高齢者に多い
 →訓練期間が長期化する傾向がある
(2)生きる希望として訓練を受けたい:中年期以降に障害になった高齢者に多い
 →訓練により生きる希望を見出すことには意味があるが、継続的に訓練を求められる
(3)日常生活の充実のために訓練を受けたい:高齢期以降に障害になった人に多い
 →訓練の対象にはならないが、家族からの相談が多い

2.支援の現状
(1)必要な期間の延長なども含め対応している
(2)一定のところまではリハの役割として問題ないが、無期限には対応できない
 介護との連携が必要だと思われるが、現状では機能分担ができていない
(3)相談として対応することはあるが、本来のリハの対象ではない
 介護事業者には、視覚障害に対する知識、技術がないため適切な対応をしてもらえない

3.視覚障害高齢者に対する支援のあり方
・高齢者に対するリハの役割とは
・高齢者のニーズと介護の視点の理解
・医療、介護の支援者への視覚障害に対する情報、技術の提供
・医療、相談支援事業者、介護提供事業者等とのチームアプローチ

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© 2012 視覚障害リハビリテーション協会
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