抄録
1.はじめに
2011年12月、宿泊施設「ゆうぽうと」において、既存施設を点検し、それを活かす形で施設整備を行った。
2.ある会合をきっかけとして
研修施設が併設され、使用料も比較的安価であり、視覚障害者が多く集まる研修会がたびたび開催されていた。参加者には晴眼者もおり、特段の不便は感じていなかったようだが、単独行動を好む視覚障害者は、「ゆうぽうと」に対して、点字表示などの整備をお願いしていた。副総支配人が、その要望に対応しようと考え、移動支援施設整備の計画が始まった。
3.整備の方針
1)1982年に開業したホテルである。現在でも活用できる移動支援施設が多く残っており、既存施設を有効利用する。
2)視覚障害者以外の移動制約者にとってバリアになるような整備は行わない。
3)スパイラルアップの考え方に基づき、単年度で完結せず、継続させること。
4)ハード整備より情報提供(ソフト)に重きを置き、経費を削減する。
5)従業員に理解しやすい整備を行う。
4.整備後の利用者意見
点字使用者に点字案内がフロントで配布されることに対して、非常に良い印象を与えたようである。また、点字案内があることにより、知られなかった既存の点字表記を利用できるようになった。
5.今後の課題
1)従業員の理解を得る。
ブロック敷設に抵抗を感じる従業員がおり、現在は仮敷設の状況である。反対意見も貴重であり、理解を得る活動が必要である。
2)移動制約利用者の意見を集約する。
3)終わりがないことを理解していただく。
「ゆうぽうと」の概要
1)場所:東京都品川区東五反田(東急池上線 大崎広小路駅から徒歩1分)
2)運営会社:西洋フード・コンパスグループ株式会社(2008年から)
3)開業:1982年
4)客室数:236室(うち和室21室)
館内には、多目的ホール、会議室、結婚式場、レストラン、フィットネスジム(別会社)が備わっている。