視覚障害リハビリテーション研究発表大会プログラム・抄録集
第21回視覚障害リハビリテーション研究発表大会
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ポスター発表
駅構内図の触地図に関する利用者アンケート調査
*舛田 翔太渡辺 哲也
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p. 74

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抄録

【目的】
 駅構内図の触地図に対するニーズを把握するために、触地図の(潜在的な)利用者を対象としたアンケート調査を実施した。

【調査方法】
 NPO法人ことばの道案内に調査を委託し、同法人の利用者である視覚障害者、及びその知り合いの視覚障害者を対象に聞き取り調査を行ってもらった。

【結果】
 障害等級1~2級の視覚障害者28人に回答してもらった結果を報告する。
1)冊子型駅構内図の触図(触地図)へのニーズ
 冊子型駅構内図の触図があれば便利だと思いますかという質問に対して、はいと回答した人が11人、いいえが16人、どちらともいえないが1人であった。以下の質問のうち2)~5)ははいと回答した人11人、6)はいいえと回答した人16人に対する質問である。3)~6)は複数回答である。
2)触地図に掲載すべき情報
 トイレ、階段は全ての人が触地図に必ず載せてほしいと回答し、バス・タクシー乗り場、誘導ブロック、切符売り場は約8割(9人)の人が触地図に必ず載せてほしいと回答した。
3)触地図が必要な駅
 ときどき、あるいは初めて使う駅で11人、定期的に利用する駅で3人、触地図が必要であると回答した。
4)触地図の入手方法
 事前に触地図を送ってもらいたいという人が10人、駅で触地図を受け取りたいという人が6人であった。
5)触地図の作成方法
 4種類の作成方法を好みの順に並べてもらった結果、UV印刷を4人、サーモフォームを2人、立体コピーを1人、点図を1人が一番作成してほしいと回答した。
6)触地図が不要な理由
 触地図が不要な理由として、図を触って読むのが苦手、または時間がかかるからと回答した人が4人、点字が読めないからと回答した人が3人、誘導してくれる人がいるからと回答した人が2人であった。その他の具体的な回答には、わからないときには人に尋ねるから、置く場所がなく、持ち歩きできないからなどがあった。

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© 2012 視覚障害リハビリテーション協会
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