視覚障害リハビリテーション研究発表大会プログラム・抄録集
第21回視覚障害リハビリテーション研究発表大会
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ポスター発表
プラットホームからの転落事例データベース作成のための調査票の試案
*大倉 元宏
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p. 92

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抄録
【目的】
 視覚障害者のプラットホームからの転落事故の未然防止策として、事故事例を多数集めて、当事者はもちろんのこと、視覚障害リハ関係者、鉄道事業者、行政者、一般市民等に広く公開することが考えられる。そこで、転落事例をデータベース化するための調査票を作成したので報告する。

【方法】
 大倉らの先行研究1)を参考に、視覚リハ専門家、工学者、生理学者、デザイナー、当事者等の集まりである「O&M勉強会*」で調査項目を議論した。

【結果】
 調査項目は大きく、転落者の属性、駅とプラットホーム、事故の経緯の3つに分かれる。転落者の属性については、年齢、性別、職業、障害の原因、発症年齢、左右の視力と視野、夜盲や羞明の程度、色覚、聴力、歩行訓練(電車利用を含む)、単独での電車の利用頻度などが含まれる。駅とプラットホームについては、ホームの形状、縁端部の点字ブロックの仕様、階段部における音サインの設置、ホームの長さと幅などが含まれる。事故の経緯に関しては、発生日と時刻、天候、番線、当該駅の利用頻度、ホーム上の混雑度、電車利用の目的、ホーム上の移動方向、転落までのホーム上の移動状況(文章と図)、推定される事故原因と対策などが含まれる。

【今後の展開】
 WEBベースでの入力を可能として、歩行訓練の専門家に広く呼び掛けて事例の収集と入力を依頼し、インターネット上に転落事例データベースを構築することを考えている。

【文献】
1)大倉元宏,村上琢磨,清水 学,田内雅規:視覚障害者の歩行特性と駅プラットホームからの転落事故,人間工学,31(1),pp.1-8,1995.
*議論には以下の各氏が参画した。青木卓,阿保裕子,石川充英,稲垣具志,川嶋一広,河原佐和子,清水美知子,田内雅規,中村孝文,堀内陽子,村上琢磨,松野吉泰,諸熊浩人,箭田裕子,吉田洋美,吉本浩二。
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© 2012 視覚障害リハビリテーション協会
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