シミュレーション&ゲーミング
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『政界再編ゲーム』の作成と実施―政治をゲームにする―
久保谷 政義
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2003 年 13 巻 2 号 p. 127-138

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抄録

西欧の連立政権の理論は,「政党システムが決まれば,政権構想が決まる」という,政党システムを独立変数,形成される連立政権を従属変数として規定している.しかし,現代日本政冶を見ると,先に政権構想があって,それに合わせて政党システムを再編しようという議論がなされており,単純な独立変数・従属変数の関係は規定できない.そこで,ゲーミングによって新たな視角から検討しようというのが,『政界再編ゲーム』の作成の動機である.

ゲームを作成する過程では,政冶においてはゴールとは何かということに結論が出せないこと,協調と対立が同居していることなどを強く認識する必要があることが再確認された.また,本論文では,政冶とゲーミングシミュレーションの共通点を探ると同時に,今回の『政界再編ゲーム』の作成過程とルールのなかに組み込まれた含意,テストプレイを観察することに得られた知見,題材の特異性について論じる.

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© 2003 特定非営利活動法人日本シミュレーション&ゲーミング学会
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